SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
白銀の金竜
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その数、目算千以上。
「うわぁぁぁっ!?」
「きゃぁぁっ」
「チィ……ッ!」
恐ろしいスピードで迫ってくる、無数の矢たち。己の武器を駆使しながら…ゲイザーはなんと拳で…それらをはじきながら、徐々に、徐々に、後退していく。
矢の射出はとどまる所を知らない。
これでは――――攻撃できない!!
「どうする……!!」
「これじゃぁ……ジリ貧よ……!」
思わず、セモンとコハクは悲鳴を上げる。
その時だった。
「セモン!」
名前を呼ばれて振り向くと、ゲイザーがいつの間にか寄ってきていた。
「俺が時間を稼ぐから、その隙に奴に最上位剣技をたたきこめ! 一度でいい!」
――――無茶だ!!
セモンはその時、半ば本気で叫びかけた。
まず理由の一つとして、セモンの代用の剣が、《神話剣》の強力な最上位剣技に耐えられる可能性が限りなく低かったから。繰り出せば、間違いなく折れる。
もう一つは――――ゲイザーに、凄まじい危険が及ぶからだった。
彼のレベルは自分達よりずっと高い。だが、彼とて無傷ではない。光の矢の嵐の中を、龍に向かって突き進むのは至難の技だろう。
だが――――その眼。
セモンを。コハクを。《聖剣騎士団》の仲間たちを、信頼しているという。
あの頃――――よく見せてくれた、その静かな声援に後押しされて。
「わかりました」
セモンは、答えていた。
それを聞いて、ゲイザーはうなずく。
直後、いきなりイカヅチに向かって突進した。今までの彼の動きも凄まじかったが、それを超える恐るべきスピードだ。
一瞬にして龍に接近。まずは《体術》スキル足技、《旋回脚》。筋力、敏捷両値全開でブーストされたその一撃が、《流星拳》の衝撃波補正も加えて、常人が繰り出す其れの何十倍もの威力を以て打ち出された。
「キュォォオオオン!!」
悲鳴を上げる龍。ついに、光の矢が、止まった。
「今だ! やれ、セモン!!」
「うっ……お、お、お、お、おぉぉおおおお!!」
セモンは《神話剣》の、今使える中で最上位の剣技――――《アラブル・ランブ》、二十七連撃を繰り出す。
斬撃、斬撃、また斬撃。
回避することを知らない、ヒット&ヒットの斬撃の嵐。荒ぶる戦神の魂を内包したソードスキルが、すべて余すことなく白銀の竜へと吸い込まれていき――――
「――――おおぁああああああ!!!」
「コォァアアアォォ――――――――……ン……」
そのHPを、0にした。
ぴたり、と止まる《ジ・アマノイカヅチ》。直後、無数のポリゴン片へと変化し、霧散した。
それと同時に――
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