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SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
白銀の金竜
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彗星の如く光の尾を引きながら突き出される。目にも留まらぬ光速の打撃。

 《流星拳》基本ソードスキル、《星閃打》。 

「いああああ!!」

 続けてコハクの追撃。三連撃の刺突からの、上段切り――――《スラストアンドフォール》。

 本来は両手槍の上位スキル、《薙刀》にしか使えないスキルなのだが、《妖魔槍》専用装備《オクタスン》はあらゆる槍系装備のカテゴリに入っているので、一切問題ない。さらに、エクストラ効果で衝撃波のおまけつきだ。

「コォォォァアアアアァァアッッ!!」

 身をよじるイカヅチ。だがその隙を、逃してやるわけにはいかないのだ。

「シィイイッ!!」

 《刀》ソードスキル、《紫電》。神速の斬撃を以て、イカヅチを切り裂く。 

「どうだ……?」
「まだだ――――」

 すり抜けるようにゲイザーが前に出る。

「こぉぉぉぉ……ッ!!」

 尋常ではないスピードで走りながらも、ゲイザーは両手の指をゆっくりと閉じ、息を吐き出しながら拳を握る。

 直後――――

「覇、ぁぁああああああッッ!!」

 裂ぱくの気合いに乗せて、ゲイザーの両手が、信じられないスピードで突きこまれていった。

 一撃一撃が、流星の如き素早さを持っていながら、確実な重さを持っている。ヒットするたびに、イカヅチが苦悶の悲鳴を上げ、そのHPが大きく削れていくのが何よりの証拠だ。

 その連撃数、一つ、二つ、三つ、四つ――――十、十一、十二――――二十!!

 総、二十連撃。かつてその存在を聞かせてもらった、《流星拳》高位ソードスキル、《リバーズフォール・スクランブル》に違いない。激流のごとき拳撃が、イカヅチのHPを大きく減らした。

 順調にことは進んでいる。

「行ける……?」

 コハクが呟く。以前セモンが《草薙の剣》を獲得した時は、全員で挑んでそこそこクエストに苦労した覚えがある分、今回はたった三人で敵を追いこめていることに安心しているのだろう。

 だが、ゲイザーは銀色の髪をなびかせて、厳しげな表情を取って答える。
 
「何度も言っているがまだ気を抜くな……ここからが本当の……奴の実力を発揮する場。この先からは、俺も見ていない」

 それはつまり。

 此処からは未知、という事だ。急激に不安感がセモン達を襲う。

 そしてそれを見透かしたかのように――――

 最後の変化が始まった。

「キュォァアアアアアアッッ!!」

 しゃりりぃぃぃぃん……

 鈴のような音が響き、《アマノイカヅチ》の背後に、仏教の仏像の光背の如く、光のリングが出現した。

 光り輝くそれが、さらなる光を纏わせ―――――。

「くるぞ!!」

 無数の矢が発射された。
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