第一部第五章 電撃作戦その二
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ンスも言えた義理ではないが」
フランスもそうだ、とよく言われる。しかもお高く止まっている、と。
「それは根拠のない誹謗中傷に過ぎませんがね」
「君も言うな、大人しい顔をして」
「これこそフランス流です」
補佐官はそう言うとニコリ、と笑った。
「さて、そして彼はマレーシアの首相を退いたんだな」
「はい、連合軍参加と共に」
これが連合軍設立の最後の決め手となったのである。
「そして今何故改革派のリーダーになっているのかね?」
これはラフネールにとっても少し妙なことであった。
「マウイの主張に早速反論してきたのです。その考えは連合の動きを停滞させるものである、と」
「わからんな。彼は連合軍にも反対していたのだろう」
「それがポーズに過ぎないということはおわかりだと思いますが」
「・・・・・・確かにな」
微笑んだ。ラフネールも伊達にエウロパの総統ではない。この程度のことは見抜くことが出来る。
「そして彼は改革派の指導者となった、ということか」
「はい」
「しかし連合も相変わらず妙なところだな」
「といいますと!?」
補佐官はラフネールの言葉に首を伸ばした。
「うむ、開拓を更に推し進めていくべきと主張しているのが保守派で中央の権限を強め内部をまず整えるべきだと主張しているのが改革派とはな。普通は逆のことが多いのだがな」
「そういうものですね、政治とは」
補佐官は少し感嘆したように言った。
「保守と革新の差なんてそんなものでしょう。どちらが善でどちらが悪とは政治の世界では絶対に言えませんしね」
「言ったらそれこそフランス革命か二十世紀の全体主義だな」
「はい」
フランス革命のジャコバン派やナチス、ソ連といった存在は人類にとって魔女狩りと並ぶ忌まわしい流血の歴史として伝えられていた。
「例えば、だ」
ラフネールは一言断ってから補佐官に話しはじめた。
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