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星河の覇皇
第一部第五章 電撃作戦その一
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子で言った。
「しかし君は重要なことを見落としているな」
「といいますと!?」
 若い男はその言葉に目をパチクリさせた。
「何も影響力は軍事力だけではないぞ。それを忘れてもらっては困る」
「はあ」
「軍事力だけでどうこうするのなぞ一千年以上前に終わっている。それは我々が最もよくわかっている筈だがな」
 彼の言葉は正論であった。今の時代は衝突があった場合軍事力ではなく貿易や経済で手を打つことのほうが遥かに多いのだ。無論サハラのような地域もあるが連合内ではそれが主流であった。その調整の為に中央政府があり国同士の武力衝突は長い間絶えていたのである。
「それに議会がある」
 中央議会には政党というものは存在しなかった。それぞれの国から選出された議員が祖国の権利を声高に主張する場となっていた。
「我々は何といっても中国と並ぶ最大議席を保有している。この意味は大きいぞ」
「確かにそうですが」
 彼は口ごもった。
「まあ見ているのだ。軍事力など使わなくとも我々の力は保持出来る。私のやり方を見ているがいい」
 彼はそう言うと自信に満ちた声で笑った。そして執務室を出て隣国の外相との会談に赴いた。
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