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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第七十一話 三人の子供
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一矢だった。
「俺は何があってもこの長い戦いを終わらせる」
「その拳でですね」
「いや、心でだ」
その声までもが真剣なものになっていた。
「俺のこの心で。戦いを終わらせる」
「一矢さんの心で」
「何があっても諦めない」
いつもの一矢の言葉だった。ただひたすら未来を見据える一矢の。
「エリカと何時の日か一緒に。人類とバーム人の未来の為にな」
「一矢さんは何時までも変わらないのですね」
一矢のその心を感じたルリは微かに微笑んでいた。
「駄目かな、それは」
「いえ」
微笑んだまま一矢に答える。
「そうあるべきです。ですからバームの方々との戦いも終わらせることができましたし」
「俺は。やっぱり皆がいてくれたから」
「その皆の心を動かしたのは何だと思われますか?」
「皆の心を?」
「それこそが一矢さんの御心なのです」
「俺の。その心が」
「はい」
クールなルリにしては珍しく微笑んだ言葉であった。
「そうです。一矢さんだからこそ」
「そうなのか。俺の心が」
「私も。一矢さんに打たれました」
正直な告白だった。
「一途に想うその御気持ちに対して」
「俺はエリカを救い出したかった」
ただそれだけだったのだ。彼は。
「それだけなんだけれどな」
「そう、それだけです」
ここでルリはまた言うのだった。
「それだけです、本当に」
「それだけでいいのか」
「その心を持つことこそが大事なのですから」
「俺がその心を持つことが」
「エリカさんを。ずっと信じておられましたね」
「ああ」
それは否定しない。まさにその通りだったからだ。
「エリカがバーム星人だって知っても。俺は構わなかった」
「エリカさんを愛しておられたからこそ」
「その通りだ。そんなことはどうでもよかった」
本心の言葉であった。
「俺はただエリカを」
「その気持ちが大事なのです」
「そうなのか」
「はい。私も」
ここでルリ自身の言葉になった。
「一矢さんのその御心に打たれましたから」
「ルリちゃんもまた」
「ですから一矢さん」
一矢自身に声をかける。
「その御心を忘れないで下さいね」
「ああ、わかった」
ルリの今の言葉に対して毅然と頷いてみせた。
「俺は。この戦いが終わったらきっとエリカと」
「その時は必ず来ますから。ですから」
「今は戦う。それしかないか」
「一矢さんの拳で平和を掴みましょう」
「ああ、きっとな」
「それにしても」
ここでルリの言葉がまた変わった。
「!?どうしたんだルリちゃん」
「私がアキトさんを知らずに一矢さんがエリカさんを知らなければ」
不意にこう言うのだった。
「どうなっていたか」
「どういうことなんだい、今の言葉は」
「あっ、何でもないです」
しかしこれ以上は言
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