第七十話 未来への飛翔
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第七十話 未来への飛翔
アレクサンドリアでの休息に入っているロンド=ベル。しかし警戒を解いたわけではなかった。
ミネルバの艦橋で。タリアはアーサー、メイリンに対して問うていた。
「今度は東なのね」
「はい、連邦軍から報告がありました」
「バグダットに向かっているそうです」
二人はこうタリアに対して述べるのだった。
「修羅及びあのデュミナスの軍が」
「今度は六千とか」
「六千ね」
タリアはまずはその数を聞いて声をあげた。
「数としては相当なものね」
「はい、しかも数だけではありません」
アーサーの言葉だ。
「修羅もいますしデュミナスまで」
「そうね。どちらも手強いわね」
これはタリアもよくわかっていることであった。
「何度も戦ってきて。特に最近はね」
「そうですね。ただ」
「ただ。何かしら」
今度はメイリンに応えた言葉だった。
「いえ。今までカイロとかに出ていましたよね」
「ええ」
「それで今度はバグダットですか」
彼女が言うのは地理的なことでああった。
「それって何か」
「何か?」
「おかしいですよね」
「おかしい?」
「だって。全然逆ですよ」
困惑した顔でタリアに語ってきた。
「西から東にって。ってことはつまり」
「ええ、私も同じだと思っているわ」
真剣な顔でメイリンに答えるタリアだった。
「彼等もまた。シャドウミラーと同じくね」
「あらゆる場所に出ることができるんですか」
「元々いる世界が違うから」
タリアはこのことを指摘した。
「だからよ。こうしたことも普通なのよ」
「そうですか」
「あくまで彼等にとってはね」
このことを強調した言葉だった。
「そうなるわ」
「そうですか」
「ただ」
ここでタリアはまた言う。
「ただ?」
「いえ、どうしても不思議なのよ」
顔を曇らせての言葉になっていた。
「不思議といいますと?」
「シャドウミラーにしろ修羅にしろ焦っているわ」
タリアは言う。アーサーに応える形で。
「何か妙に」
「そうですかね」
「あっ、そうですね」
ここではメイリンの勘が働いた。その勘での言葉である。
「出て来たらもうしつこいまでに攻撃してきますからね、どの異世界の勢力も」
「そうよ。今保有している戦力をとことんまで投入して来るわね」
「はい」
タリアの言葉に対して答える。
「そうですよね。何故なんでしょう」
「ひょっとしてだけれど」
今度はタリアがその勘を働かせた。
「彼等にも危機があるのじゃないかしら」
「危機、ですか」
「ええ。それもかなり深刻なものがね」
こうアーサーとメイリンに語る。
「あるのかも。そもそもそうでなければこちらの世界に介入する筈もないし」
「そうですね。そう
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