第六十九話 震える大地
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たいもの!?」
「そうだ」
コウタを見据えていたがやはり普段の闘志がない。
「御前達は何故戦っている」
「決まっている!」
コウタはその熱さのまま答えてきた。
「貴様を倒す!それだけだ!」
「お兄ちゃん、違うでしょ」
しかし彼は言うのだった。
「人類の平和を守る為でしょ」
「ああ、そうだったな」
言われてそれを思い出すコウタだった。
「そういえばな」
「ちゃんと覚えておいてよ、本当に」
「守る為か」
フォルカはそのことを呟いた。
「人類を」
「!?何なんだこいつ」
コウタは今までのフォルカの言葉に流石におかしなものを感じ取った。
「何の為に戦っているっていうんだ」
「戦う為」
フォルカはこうコウタに答えてみせた。
「それ以外の何ものでもない」
「戦う為に戦う!?」
『そうだ』
「!?ロア」
ロアが突如として口を開いてきた。コウタはそれに反応した。
「御前、修羅のことを知っているのか」
『修羅は戦う為に生き、戦うことこそが全てだ』
ロアの言葉だった。
『だからこそ修羅なのだ』
「だからこその修羅」
『そうだ』
『いい、コウタ』
珍しいことにエミィがコウタに声をかけてきた。
『修羅という名前はそこから来ているのよ』
「そうだったのかよ」
「だからお兄ちゃん」
今度のショウコの声は呆れたものになっていた。
「阿修羅って言うじゃない」
「ああ」
「戦うことが全て。だから修羅なのよ」
「修羅界にいるっていうあれだな」
「そうだ、俺は修羅」
フォルカは呟くようにして述べた。
「戦うことが全てだ。だが御前達は違うのか」
「だから言ってるのよ」
コウタではなくショウコがコウタに答えてきた。
「皆を守る為よ。いいわね」
「守る為か」
彼はまたそのことを呟く。
「誰かを守る為に戦っているのか」
「修羅は違うみたいだけれど私達はそうよ」
またフォルカに答えてみせるショウコだった。
「皆を守る為に貴方達と戦う!」
「そうなのか」
フォルカは静かにショウコのその言葉を聞いていた。
「御前達は。やはり」
「やっぱりおかしいな」
コウタもいい加減今のフォルカの不自然さに眉を顰めさせてきていた。
「こいつ。どうなったんだ」
「守る為に戦うか」
またそのことを呟く。
「その為に命を賭けるのか、御前達は」
「何が言いたいのかわからないけれどそうよ」
またショウコが答えた。
「だから貴方も・・・・・・!」
「喰らえっ!」
コウタはここでまた拳を繰り出してきたのだった。
「俺のこの拳で!死ねっ!」
「うっ!」
拳が直撃しヤルダバオトは大きく吹き飛ばされた。まるで人形の様に。コウタはそれを見てまたしても違和感を感じずにはいられなかった。
「あいつ、迷っていや
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