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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第六十三話 邪魔大王国の最期
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だ!」
「違う!」
フローラは首を横に振りそれを否定する。だがジーグの言葉は続く。
「勇気を出せ!」
「勇気だと」
「そうだ!」
さらに言葉を続ける。
「本来の君の姿に戻るんだ!」
「夢の世界で言った筈だ!」
フローラも頑なだった。
「私にとって竜魔帝王は恩人だ!」
「恩人か!」
「そうだ、例え悪の化身であろうとも」
それはわかっていた。
「しかし私の命を蘇らせてくれた恩人であることには変わりがないのだ」
「それは嘘だ」
「何っ!?」
今のジーグの言葉に顔を向けた。
「今何と言った」
「君は騙されているんだ」
「騙されているだと。この私が」
「そうだ。父さんから聞いた」
根拠まで言ってみせる。
「君の村を襲い一度君を殺したのは竜魔帝王だ」
「馬鹿な」
フローラはそれを嘘だと思った。思いたかった。
「そんな筈がない。有り得ない」
「地獄の帝王」
言うまでもなく竜魔帝王のことだった。
「彼に滅ぼされた村の村長の娘の話をな」
「馬鹿な・・・・・・」
他ならぬ自分のことだ。今の話でそれがわかった。
「では私の両親も優しかった村人達も」
「そうだ!」
また宙は叫ぶ。
「皆竜魔帝王に殺されたんだ!」
「竜魔帝王に・・・・・・」
「考えてみるんだ、フローラ」
宙の言葉はさらに真剣なものになる。
「狼に襲われたのだな」
「そうだ」
その通りだ。その時のことは今でもはっきりと覚えているのだ。
「そして私もまた」
「狼は人を襲わない」
「何っ!?」
「何故犬がいるんだ」
彼が言うのはそれであった。
「狼が犬になれたんだ。人を襲うならどうして」
「ではあれは」
「そうだ。わかるな」
こうフローラに述べる。
「君は騙されていたんだ」
「なら私は今まで」
フローラの顔が割れた。まるで鏡が割れたように。ひび割れ壊れてしまっていた。その心も。
「自分と皆を殺した男に仕えてきたというのか」
「目を覚ますんだフローラ!」
宙の言葉はさらに続く。
「君はそんな所にいてはいけないんだ!」
「私は・・・・・・」
割れてしまった心で呟く。
「私は・・・・・・」
「愚か者が!」
しかしその時だった。地の底から恐ろしい声が聞こえてきた。
「その様な若造の言葉を真に受けるのか!」
「あの声は!」
「出たか!」
「出やがったな!」
戦いを続けるロンド=ベルの面々も声をあげる。姿を現わしたのは。
「竜魔帝王!」
「やはり出て来たか!」
竜魔帝王であった。宙に浮かぶ巨大戦艦に一人の禍々しい顔の巨人がいた。その巨人こそ彼であった。燃える様な赤い髪に剣を持っている。
「フローラ!」
「帝王!」
「貴様は大恩ある俺に背くか!」
「私は・・・・・・」
「黙れ!」
まずは
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