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星河の覇皇
第一部第四章 若き獅子その二
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連合において我等に対する批判が高まっております。これは憂慮すべきことかと」
「それはわかっている。だがサハラは小勢力に分裂している。反感は気になるが我等が生きる為には無視しなくてはなるまい。しかしな」
 モンサルヴァートはここで顔を顰めた。
「連合の者達に言われたくはないな」 
 その言葉には怒気を含ませていた。
「連中は数をたてに何かと宇宙開発で有利なように話を進めてきた。そして幾度となく我等の発展を妨害してきた。そして今の領土に追いやってくれた。もとはといえば奴等のせいではないか」
 シンガポール条約以降エウロパは何かと連合に遅れをとっていた。彼はこのことに対し強い不満を覚えていたのである。
「しかもあの者達には無限ともいえる開拓地と資源がある。持てる者に持たざる者の気持ちがわかってたまるか。その証拠にあの者達の人口を見よ」
 エウロパの人口は一千億である。それに対し連合の人口は三兆、約三十倍の差がある。
 サハラやマウリアの人口は二千億程度である。やはり連合の人口が圧倒的に多い。これには多くの原因がある。
 まずエウロパは移住した時より避妊具等を使い人口を抑制していた。これは将来のことを考えてのことだが先見の明があったと言えよう。実際に今彼等は人口問題に悩まされている。これは流石に辛かった。これにより今のサハラ殖民が行なわれるに至ったのである。
 サハラは土地はエウロパよりずっと広く南方や西方に開拓可能と思われる星系が多数存在するが戦乱に明け暮れ開拓は全く行なわれてはいない。特に南方は複雑な地形で知られるサハラにおいてもあまりにも複雑な地形の為人口も少なく惑星ごとの国家や海賊、軍閥等が乱立しているような状況である。彼等は特に人口を抑制したりはしないが戦乱の為人口はそれ程増えなかったのである。
 マウリアは領土が広く地形もそれ程複雑ではなかったが彼等は決して焦りはしなかった。独自の文明を持つ彼等は泰然自若とした行動を好みゆっくりと開発を進めていった。人口は積極的に増加させるような政策は採らず増えるに従い他の惑星に進出するといった方法を採った。彼等は別に平和主義でもなかったが連合やサハラとはアステロイド帯等で安定した国境があり外敵に悩まされることもなかった。その為穏やかな進出が可能となったのである。
 さて連合であるが彼等は元々の人口が多かった。当初の構成国である環太平洋諸国だけで全人口の約半分に達していたがそこにブラックアフリカの国々や中南米、トルコ、イスラエル等が入ったのである。これにより彼等全人口の大半を抱え込むこととなった。
 そして彼等が得た領土は広かった。なおかつ何処までも広がっていた。彼等は東に、北に、そして南に、次々と進出していった。
 そして多産を奨励した。これは開拓をより的確かつ迅速に進め国力を高める為であ
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