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星河の覇皇
プロローグ二
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幸運だったのは心配された異星人の存在もなかったことである。その為開拓は容易に進んだ。
 医学や宇宙航行の技術の発展も大きかった。人口は増大し流通は進歩した。そして瞬く間に人口は三兆を越えたのである。
 確かに治安は悪く各国の勢力は複雑な状況にあった。だがそれがかえって各国の武力衝突も抑えていたのだ。
 戦争よりも海賊の掃討、それこそが重要課題であった。各国は海賊の取り締まりに追われ戦争どころではなかった。流通や宇宙航行の発達が海賊の動きをより速めていった。それに対処する必要があったのだ。
 種々雑多な寄り合い所帯、それが星間国家連合であった。宿敵欧州との対立もあったが彼等は自分達だけで独自の世界を形成していた。
 彼等の進出はまだ続いていた。開拓は辺境に及びその先にあると言われている未知の星系の存在についても調査されていた。彼等の進出はまだまだ続いていたのである。
 さて彼等と同盟関係にあるインドであったが彼等はその独特の文明体系をそのまま維持していた。進出した地は連合とは別の地域であった。
 連合と不可侵条約を結んでいたが彼等はそれをあまり信用していなかった。信用するにはあまりにも危険な国が多かったからである。
 彼等は出来るかぎり連合から離れた場所への進出を考えた。幸いその地はあった。
 長大なアステロイド帯の向こうに多くの星系があったのである。そこに彼等は進出した。そして一方的に領有宣言を行なった。
 これに対して連合も欧州も沈黙した。連合は彼等の星系の開発に忙しかったのである。欧州も同様であった。
 インドはそこにある多く星系に入った。そして最初に足を踏み入れたその星を『ブラフマー』と名付けた。彼等の神話の創造神から名をとったのである。
 そしてそこに地球からインド本土を持って来た。彼等はそこに完全に移り住むつもりだったのである。
 これには連合も驚いたが反対はしなかった。彼等にしても自分達の勢力圏から彼等が立ち去ることは好都合であったのだ。
 彼等は慎重に開発を進めた。そして一定のところで止まった。南方にはまだ開発可能な星系が多くあると言われていたがそこで一旦止まった。そして連合との境の防衛を固め海賊を締め出した。そして各星系の開発をさらに進めていった。人口は二千億程度で抑制をはじめ連合に比べ活気には乏しいが一つの勢力圏を築いていた。
 連合程ではないが緩やかな連邦制であり大統領制をとっている。今は国名を『マウリア』というかつての王朝の名にしている。平和を愛する穏健な勢力である。
 連合の宿敵欧州であるが彼等はその正式名称を『エウロパ』に変えていた。ギリシアの美しき少女、欧州の語源になった名であるがこの名を国名にしたのである。
 彼等もまた連合とは離れた場所に進出することにした。インドと同じく長大なアステロイド帯の
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