第一幕その四
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、ローマに」
「私はガリアの尼僧です」
まだその誇りが心にあった。
「ですから。ここを離れることは」
「ローマには全てがあるんだ」
それでもポリオーネは誘うのであった。
「愛も喜びも生命の輝きも。そして」
「そして?」
「より大きな生きる喜びもあるんだ」
「それは一体」
それが何なのかはアダルジーザにはわからなかった。無意識のうちに彼に問うていた。
「僕達の二人の永遠の時だ」
ポリオーネの言うより大きな生きる喜びとはそれなのだった。
「だから」
(神々よ)
アダルジーザはポリオーネの愛の前に心が引き裂かれそうになる。それでまた自分の仕える神々に対して祈るのであった。
(お許し下さい、罪ある私を)
「さあ」
ポリオーネはまた彼女を誘ってきた。
「二人でローマに」
「何て苦しいの」
アダルジーザは思わず呻いた。
「こんなに」
「明日だよ」
彼女の苦しみはわかっていても彼はここで言った。
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