主人公−鈍感=え、何が残るっていうの?
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アアッ!!」
「そんな!?」
「畜生……」
武器を捨てるという普通では考えられない状況に目を白黒させる二人。その隙を逃さず、男の方の金的に速やかに蹴りを入れた。
「ホグァっ!」
「な、なんてことを……」
「鬼畜……」
「ひ、ひでぇ……」
生き残っている男三人が股間を押さえて渋い顔をしている。これは本当に危険なので良い子は絶対に真似しないでね♪
股間を押さえている奴らはすっかり戦闘意欲を失ってしまっていたため、首元に手刀を入れて昏倒させた。
……さて、残りは女子二人か……。
一歩ずつ彼女らの方に足を進める俺。二人は警戒するように武器を構えたが、腕の振るえは隠しきれていなかった。
「ま、負けませんよ……!」
「女だからって嘗めないで……!」
震える唇で紡がれる言葉に恐怖する要素なんぞ一ミリたりとも存在しない。
俺は握った両拳を彼女達の前に掲げ、人差し指を勢いよく放った。
いわゆる、デコピンである。
「えい」
「痛っ!」
「あぅっ!」
痛そうに額を抑える二人。俺はしゃがみこんでいる彼女らを一瞥すると、偃月刀を投げ捨てて中庭の方へと歩き始めた。
「ま、待ってください!」
そのとき、後ろから制止の声が飛んでくる。俺は気怠そうに彼女達の方を向いた。
「何?」
「何、じゃなくて……どうして倒さなかったんですか?」
「いや、倒したじゃん」
「倒してない。孫瑜様は私達を気絶させなかったし、決定的な攻撃も当てていない」
「あー、そういうこと……」
俺は軽い笑みを浮かべると、混乱する彼女達に向けて言った。
「女の子に攻撃なんて、するもんじゃないっしょ?」
『え……?』
「雪蓮とか祭とかならともかくさ、二人はまだか弱い女の子なわけじゃん? そんな子たちに武器を向けるなんて、俺には無理だね」
『!』
俺の言葉と同時に、二人の顔がボンと茹蛸のように赤くなる。ありゃ? 一体全体どうしたんだ?
「おい、二人共大丈夫か? なんか顔が赤いけど」
「な、なんでもありません!」
「心配無用」
「それならいいけど。そんじゃ、俺は行くから」
再び中庭に向けて歩き出す俺。
「……天然だね、あれは」
「女たらし」
後ろから何か不名誉な発言が聞こえてきたような気がしたが、俺は構わず駆け出した。
ちなみに、この三十分くらい後に祭に捕まった俺と雪蓮は、二人仲良く正座のまま仕事をさせられました(泣)
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