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星河の覇皇
第一部第三章 海賊征伐その二
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物量戦と空母を使った戦いを得意としている。
 だがそれはオムダーマンには通用してもサラーフには通用しない。何故なら数は向こうの方が多いからだ。そして今その国力をオムダーマンに抜かれようとしていた。
「やはりカッサラ星系が連中の手にあるのが大きいな」
 ミドハド連合主席であるイマーム=ハルドゥーンは補佐官が持って来た資料を見て顔を顰めながら言った。
 六十を越えたばかりの白髪の老人である。ミドハドで二番目に大きな惑星に生まれ官僚になった。そして政治家に転身し国の要職を歴任した後選挙に立候補し主席に選ばれた。温和な外見とは裏腹に中々の策士と言われている。
「はい。しかもオムダーマンはあの星系に軍事基地を建設しようとしております」
 補佐官は彼に対して言った。
「その基地の建設は今どの位進んでいる?」
 ハルドゥーンは問うた。
「情報部の話ですと六、七分位とか」
 補佐官は答えた。
「そうか。破壊するのなら今だな」
 彼はそれを聞いて言った。
「といいますとやりますか」
 補佐官は再び問うた。
「当然だ。今手を打たないと厄介なことになる。すぐに艦隊を出動させよ」
 彼は席を立って補佐官に対して言った。
「わかりました。すぐに第一艦隊及び第二艦隊を出撃させます」
「よし。数では負けてはいない。すぐにカッサラをこの手に収めるぞ」
「はい」
 こうしてミドハド連合はカッサラ星系に兵を進めた。それはすぐにオムダーマンにも伝わった。
「やはり来たな」
 アジュラーンは司令室でその情報を聞いて呟いた。
「すぐに迎撃に向かいましょう」
 側にいた参謀はすぐにそう進言した。
「よし。動ける艦艇は全て出撃する。すぐに全軍に知らせよ」
「了解」
 参謀はそう言って敬礼した。
「数は向こうの方が多い。気をつけねばな」
「はい。敵は二個艦隊でこちらに向かっているようです」
「そうか。そして何処から来るのだ」
「ミドハド領からまっすぐにこちらに向かって来ております」
「数を頼んでそのまま来るか。あそこにもアステロイド帯があったな」
 アジュラーンは壁にかけてる星系の地図を見ながら言った。
「はい。ここでも特に複雑な場所です。しかも磁気嵐が出ております」
「そうか。ならばアステロイド帯と磁気嵐の間に布陣するとしよう」
 彼はニヤリと笑いながら言った。
「あとアステロイド帯には機雷を撒いておけ。あそこから突破されると面倒だ」
「ハッ」
「司令、よろしいのですか?」
 別の参謀がアジュラーンに対して問うた。
「何がだ!?」
 アジュラーンは彼に顔を向けて問うた。
「その布陣ですと正面からぶつかることになりますが」
 敵はまっすぐにこちらにやって来ている。その正面に布陣する形となっているのだ。
「それか」

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