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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始前
第五話「アルカード」
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う、萌香のようにね。このままだと萌香がアルカードに吸収される、今は協力し合いましょう」


 抱擁を解いたアカーシャさんは捕らわれた萌香を見上げる。


「待ってなさい萌香、今助けてあげるわ」


「おかぁさん……!」


 泣きそうな声の萌香。そんな妹の首筋に無情にも触手が喰らいついた。


「あ、ああぁあああぁぁぁぁ!」


 ――萌香の血を吸っている? いけない……っ!


「萌香ぁ!」


 アカーシャさんとともに駆け出すと、巨大な触手が目の前を立ち塞がった。地面を蹴り、跳躍する。


「邪魔をするなっ!」


 崩月次元刀で触手を斬り落とす。が、やはり直ぐに再生してしまう。


「ちぃっ」


「こいつらは斬ったくらいじゃすぐに再生するわ! ダメージを与えるには徹底的に破壊するしかないの! こんな風に――」


 アカーシャさんの蹴りがうねりを上げる。アカーシャさんを食べようと口を開く触手は次の瞬間には爆散し、無数の肉片と化していた。


 あまりの衝撃に爆散する触手に私は開いた口が塞がらなかった。これが、三大冥王首領――アカーシャ・ブラッドリバー……。朱染家ナンバー一の実力者……なんて圧倒的な力!


「もう一度眠ってもらうわ、アルカード。あなたなんかに私の大切な娘たちを奪わせはしない。――身の程を知りなさい」


 戦況が不利だと悟ったのか、アルカードが手を閉ざしていく。萌香を連れて逃げ去るつもりか!


「させない!」


 跳躍し萌香の元に向かうアカーシャさんに槍のような触手が殺到した。


「アカーシャさん!」


「お母さんっ」


 アカーシャさんなら迎撃しようと思えばできるだろう。しかし、それだと間に合わない。私の位置からも萌香の元に向かうには時間が掛かる。


 アカーシャさんも同じ結論に至ったのか、萌香の顔を一目見て――ふと笑った。


 その身に無数の触手が突き刺さる。


「おかぁさあああん――――ッ!」


 萌香の悲鳴が夜空を駆け抜けた。





   †                  †                †





 気が付けば俺は真っ白い空間の中を漂っていた。


 ――俺は、確か亞愛に殺されたはず……。ということは、ここが死後の世界か?


 何もない真っ白い空間には床も天井も無く、まるで無重力空間にいるかのようにふわふわと漂っている。どちらが上でどちらが下なのかも分からない。


 ――こんなところにずっといたら気が狂いそうだな。もしかして、ずっとこのままここにいるのだろうか?


 そこはかとな
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