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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
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第五話「アルカード」
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たぁあああああ――――――ッッ!!」
「くぅっ」
紙一重で萌香の拳を回避する。分厚い城壁が一撃で粉々に砕けた。
「この力、やはり真祖の……!」
――しかし、何故……アカーシャの血は、真祖の血は遺伝しないはずなのに! なぜ、あなたが……!?
再び凄まじい揺れが襲ってくる。まるで、強大な生き物が地下で蠢いているような。
「――っ! まさか……!?」
その時、足元にピシッと罅が入る音がすると、轟音を立てて床が崩れた。
「な、なにっ!? これは……!」
床から――いや、屋敷の地下から巨大な触手のようなものが何本も現れ、館を破壊する。衝撃の余波により、私たちは家の外へ吹き飛ばされた。
幸い瓦礫に埋もれることも傷を負うことも無かった。視線の先にはいくつもの触手がウヨウヨとうねっている。
「あ、アルカード……? まさか生きていたなんて……」
――これは完全に予想外だ。萌香が真祖の血に目覚めたから? まるで二つが同調しているかのよう……。一体何が起きているというの……?
「う……うぅ……」
萌香のすすり泣く声が聞こえた。慌てて顔を上げると、視線の先には巨大な掌の上に触手によって雁字搦めにされた萌香の姿があった。
「萌香っ!」
駆け寄ろうとすると、足元の地面から触手が出現し、私の足を拘束する。触手の先は蛇のように口がついており、私の足に噛みついてきた。
「このっ」
次元刀で触手を切り裂き拘束から逃れようとするが、斬った矢先から直ぐに繋がり拉致があかない。
横から伸びた腕が私を拘束していた触手を握り潰した。
「気を付けて亞愛。この触手に掴まると血も肉もアルカードに吸収されるわ」
「アカーシャさん……」
私を助けたのは、もう一人の真祖であるアカーシャさんだった。
「なんで、私を助けたの……?」
――私は腹に一物を抱えてあなたたちに近づいたのに、何故助ける? 千夜兄様を殺した私を……。
「――あなたが千夜を手に掛けたことは、今は何も言わないわ。これが終わったら、ちゃんと話し合いましょう」
そう言って歩み寄ったアカーシャさんは私を正面から抱きしめた。
「さっきはごめんなさい。あなたのことをちゃんと受け止めてあげられなくて……」
「――!?」
信じられなかった……、こんな私を赦すというの!?
愕然とした気持ちで動けないでいると、アカーシャさんはそのまま言葉を続けた。
「二百年の眠りでアイツは腹を空かせているわ。下手に妖気を出すと餌として認識されてしま
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