ララバイ編
EP.11 黒き閃光
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って少し嬉しそうなエルザをルーシィがからかい、その怒りに触れて誤魔化すようにカゲヤマに話し掛けたりなどと、平和な光景があったのだが……。
――っ!? 何だ、この嫌な感じは……!?
「……エルザ、少し離れてろ……」
「え?」
近くから、言いようのない不快感のある魔力を感じたワタルがエルザに警告しエルザがそれに聞き返したのと同時に……
『まったく……どいつもこいつも、根性のねぇ魔導士どもだ……もう我慢できん! ワシ自らが貴様らの魂を喰らってやろう……!!』
地の底から響くような声が辺りに響いた。
「な……ふ、笛が……」
「怪物に……!!」
正確には、笛から出た煙が呪歌に姿になったのだが……それはこの際重要ではない。
――定例会の会場より大きいな……。それにこの禍々しさ……笛がこんなに大きくなるとは……いや、逆か。
「どうやらこっちが呪歌の正体みたいだな……なぁ、鉄の森の」
「な、なんだよ……?」
「呪歌ってさ……“ゼレフ”が係わってたりする?」
「あ、ああ。呪殺の道具を“ゼレフ”が昇華させたものだ、ってエリゴールさんが……」
「じゃ、決定じゃねぇか……ゼレフ書の悪魔だな、あれは」
カゲヤマと話したワタルは、面倒なことになったな、と頭を掻いた。
「ちょっと待った! “ゼレフ”って、大昔のあの“ゼレフ”か!?」
「そうだ、グレイ。400年程前に実在していた、魔法界の歴史上最も凶悪だった魔導士。通称“黒魔導士ゼレフ”。あれはその負の遺産の一つだ……ッ!! ヤバい、伏せろ!!!」
『引っ込め、雑魚共ォ!!』
グレイの質問に答えると、ワタルは大きな魔力を感知したため、全員に大声で警告した。
その一瞬後、いきなり光ったかと思うと……山が一つ消えていた。
「え……な、何? 何が起こったの!?」
「……呪歌が高出力の魔力砲で近くの軍に対して威嚇射撃、その結果山が一つ消えましたとさ」
「え……ええー!? ちょ、ちょっと大丈夫なの、軍の人たち!?」
「ああ、早々に退却してったよ。そのおかげで……」
心配げなルーシィの問いに、ワタルは淡々と答えたが……
『さーて、どいつの魂からいただこうか……』
「……呪歌がこっちに来たんだがな」
「ひーーーー!!」
溜息交じりのワタルの説明に、ルーシィは悲鳴を上げた。
「なにーー!? ……なぁ、魂ってうめぇのか!?」
「知るかっ!!」
ギルドでするものと同じノリでの会話に、ワタルは少し苦笑すると、言った。
「さーて、と……ナツ、グレイ! ……お前たちは手を出すな」
「「はぁ!?」」
ナツとグレイはそろって聞き
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