第四章
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「そうして頂けますか」
「はい」
美女もヴォルテールのその言葉に言葉で頷いた、そして。
その白い腕の殆どを覆っている手袋を仮面に向けた、そうして。
仮面を外した、そこから長い睫に細い眉、青い切れ長の大きなサファイアを思わせる瞳を出してきた。
その美麗な顔を表し言うことは。
「これが答えです」
周りの声のない驚きを受けながらの言葉だった。
「全てがです」
「私は全て答えられたのですね」
「そうです」
「それは何よりです」
「ではお望みは」
仮面を外した美女はヴォルテールに問うた、今度は彼女からだった。
「何でしょうか」
「一つあります」
ヴォルテールは美女にこう答えた。
「それはです」
「何でしょうか、それは」
「お名前を教えて下さい」
彼の願いはそれだった。
「貴女のお名前を」
「それだけですか」
「はい、謎は解かれました」
微笑み美女に言う。
「そして後はです」
「その先にあるものをですか」
「それを見たいのです」
こう言うのだった。
「宜しいでしょうか、それで」
「私をと思ったのですが」
「貴女と一晩ですね」
「そうは仰らないのですね」
「嫌いではない展開ですが今は興味がありません」
まさに何の興味もないといった言葉だった。
「それは」
「では何に興味があったのですか?」
「謎に」
それにだというのだ。
「謎解きにありました」
「それにですか」
「そうです、謎が前にあればどうするか」
「解く、ですね」
「人は自然とそうなります、ですから」
「私の謎に挑んだのですか」
「そうでしう」
純粋にそれだけを求めて向かったというのだ。
「それだけでした」
「そうだったのですか」
「それでなのですが」
ここでまた言うヴォルテールだった。
「貴女のお名前は」
「はい、私の名前は」
美女もヴォルテールのその純粋に謎に向かった気持ちを受けて微笑んだ、そのうえで彼に己の名前を教えたのだった。
これでこの話は終わった、ヴォルテールは王からの褒美の話もやんわりと断った、王は彼から直接言われその退室を見送ってから周りに言った。
「それならそれでいい」
「褒美を授けられなかったですが」
「それでもですか」
「向こうが受け取りたくないのならな」
無理強いはしない、王はそのフランス一の美男とまで讃えられる美麗な顔を微笑まさせて周りに語った。
「私はそれでいい」
「それでいい話とは」
「謎が解かれてですね」
「純粋にその欲求だけだったことがだ」
ヴォルテールがそうだったことがだというのだ。
「いいことだ。私はこの話に満足している」
「そうですか。しかし難しい謎でしたね」
側近の一人がその謎について言った。
「まこ
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