第四章
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わってからだった。
二人は勘定を支払って店を出た。アスファルトは濡れていて水溜りさえあるがそれでも空はこれまでの雨が嘘の様に晴れている。
その晴れたまだ青い、夕方になろうとしているのにそうなっている夏の空を見上げて有紗が勝大に言った。
「あれこれ暑苦しいデートだったけれどね」
「うん、それでもね」
勝大も有紗に笑顔で応える。
「今はこうしてね」
「凄く気持ちいいわね」
「終わりよければっていうけれど」
勝大は有紗の横から彼女に言う。
「今回のデートはまさにそうだね」
「また。こうしたデートしたいわね」
有紗も勝大のその言葉に応える。
「今はそう思ってるわ」
「最後までがもう嫌だけれどね」
「その嫌な、暑苦しいことが続いたうえでのこれだから」
「だからいいね」
「ええ、本当にね」
二人で笑顔で話してそのうえで今のデートの最後の一時、駅前まで行くことをはじめた。その後ろではあのわざわざ日本まで来て騒いでいる人達が警察から逃げ出して今度は全身に蜂をまとって日章旗にわざわざ高台に乗ってからダイビングを繰り返し周囲に蜂を撒き散らし大騒ぎを起こしていた。だがもう今の二人には関係のないことだった。
スコール 完
2012・11・22
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