第一章
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になった。ベッドでの話からもう何ヶ月か経っていた。
その数ヶ月会っていない彼と夜のレストラン、摩天楼を右手に見るそこで食事をしながら私達は会うことになった。その場でだった。
彼は私に申し訳なさそうにだ。こう言ってきたのだった。
「済まないけれどね」
「その先の言葉を当てろってことかしら」
「いや、俺が言うよ」
もう彼の言いたいことはわかっていた。それでも私は気持ちは落ち着いていた。
元々怒る方ではない。それに何ヶ月もお互いに会っていないとどうなるか。私はそのこともわかっているから今は静かに彼の言葉を受けていた。
彼は自分が言った通りその口で私にこう言ってきた。
「この数ヶ月の間に他の娘とね」
「交際がはじまったのね」
「うん。だから君とはね」
「わかったわ」
淡々と。私はグラスのワインを飲みながら彼に答えた。
「そういうことね」
「だから指輪の話はね」
「私の左手は気ままなのよ」
あえて軽く笑ってみせて。私は彼に言ってみせた。
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