第二章「クルセイド編」
第二十四話「魔法」
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に会得している技を更に何十、何百と使ってその威力と技のキレに磨きをかけることもする。ましてや今回の相手は未知の法則だ。
とは言え。
剣を手に戦う事より慣れていないのは確かである。
「存外、疲れるものだな」
鉛筆の黒鉛で真っ黒に染まった右手を見ながらリオンはそう一人呟いた。その腰にはいつも共に居る相方の姿は無い。彼の手元にあるノートは一見して不可思議な図形と教師の語った言葉で埋め尽くされていた。
エレギオの説明は分かりやすかった。比較する相手はいないがそれでも彼は優秀なのだろうとリオンは考えている。未だに『魔法』と言う名前に引っ張られてその力の実態が実は科学的、そんなことを言われてもピンとはこなかったがそれでもその輪郭は浮き彫りになっているように思えていた。リオン自身の飲込みの早さだけでなくエレギオの説明の良さもきっと働いているのだろう。そう言った意味でリオンはエレギオに感謝していた。
……とは言えまだ蒼鷹に関する疑いはまだ解いていないが。一度疑ってしまうと中々そこから抜け出せない物である。
「よぉ」
そう声をかけられるのと同時に視界の外が白く染まった。顔も上げずにその声の主の名をリオンは告げる。
「エドワードか。何の用だ」
「用が無くちゃ話しかけちゃイカンのかね? ……っとと。ミッドチルダ式の魔方陣だなコレ」
ノートのある一点を指差しながらエドワードは言った。
「見た所効率性の話だな。懐かしい」
「知っているのか?」
「一般常識程度にはな。にしても綺麗に書けてるなぁ。コンパス使った?」
「手書きだが?」
「そうかね」
エドワードは無造作に近くの椅子を引き寄せて座った。懐から偽タバコ(その実態はニコチンもタールも0の唯のオモチャだったりする)を取り出して吸う。白衣を着ているのはフェイトの診察でもしていたのだろうか。眠そうにあくびをしながらリオンに缶を一本差し出した。
「何だコレは」
「見てわかんねえか? ココアだよ。疲れたときには甘い物が一番だって言うのが俺の持論でね」
「……一応、貰っておこう」
一応、とか言いながら受け取るのと同時にプルタブをプシュッという音を立ててココアを飲むリオン。やはり甘党である。一口飲んでリオンは再び口を開いた。
「複雑な物だな。魔法と言うのも」
フェイト、そして地球で戦った高町なのはの力程度でエース級と呼ばれる力。またプレシア・テスタロッサ如きで大魔道士等と大それた名前で呼ばれる法則性。この世界の根幹を成す力であり技術であると言うのはリオンも重々承知していたつもりだったが、それでも彼はどこか魔法を軽く見てい
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