暁 〜小説投稿サイト〜
IS インフィニット・ストラトス〜転生者の想いは復讐とともに…………〜
number-16 Valkyrie Trace System
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


「うああああああ――――!!!!」


悲鳴とともに黒いドロドロしたなにかに覆われていくラウラ。
その黒いものが形作ったのは、もとは織斑千冬の機体であった《暮桜》だった。


そこまであの人を考えていたのか。
麗矢はこんな形での《暮桜》との再会は望んでいない。
あれは、千冬が乗って初めてあの無類の強さを発揮できるのだ。


「お前がそれに乗るなあっ!!」


一夏が、ただ黒いものに突撃する。何も考えることはせずに。
そして《雪片》で斬られる。


斬られると、一夏の機体はもう限界を迎え、光を放ち、霧散していく。
一夏の左腕からは血が出ていた。
ご丁寧に単一能力までコピーしているらしい。――――細かいことである。


また一夏が、今度は生身であの黒いものに近づこうとしていたが、シャルルによって止められていた。
後ろから羽交い絞めにされても落ち着くことなく、もがいて抜け出そうとする。


「あれは……! あれは千冬姉の物なんだ!」
「だからなんだというのだ。お前の姉の物がコピーされた、ただそれだけじゃないか。」
「違うっ! 違うんだ麗矢! あれは千冬姉だけのものだっ!」


麗矢は辟易とするも、気を取り直して一つの質問をした。
この間にもあの黒いものは動きだしてしまいそうではあったが、今は教師部隊が止めている。
だから、まだ時間はあった。


「織斑一夏。お前は強さの定義を何ととらえる。」
「……? いきなり何を――――」


一夏の言葉を遮って、麗矢は強く一夏に問う。


「いいから答えろ。お前は強さの定義、いわば、お前の強さとはなんだ?」


麗矢が先ほどの問いよりも幾分か、分かり易くして、再び問う。
一夏は気を収まってきたのか、先ほどよりも落ち着いていた。シャルルも今の一夏を見て、大丈夫と判断して離した。


「俺の強さは良く分からないけど、みんなを守れるように強くなりたいって思った。だから、俺はあれを止めたい。みんなを守るために。」


一夏が強さとして考えること。ありがちではあったが想いは十分だった。
ここで麗矢は満足したのか、一夏に向かい――――腹を殴った。


ISの装甲が直接一夏に食い込む形で、くの字に曲がる。


「――――ッ! げほっ! いきなり何を……。」
「お前の綺麗事にはもう飽きた。お前は口だけの人だ。ただ自分の言いたいことを言って、その癖に何もできやしない。――――この際だ、はっきりと言ってやる。」


麗矢は一つ間を置き、今までずっと心の内にため込んで言わなかったことを抑揚なく言い放った。
冷たい目で、無表情に。


「織斑一夏、俺はお前が嫌いだ。有名無実、名ばかりで中には何もないお前が
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ