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チェネレントラ
第二幕その一
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「わかっている」
 ラミーロはその言葉に応えた。
「ここは御前に任せるぞ。あの二人をよく見てくれ」
「はい」
 そう答えてティズベとクロリンデに目をやる。
「あの二人のことはお任せ下さい」
「うむ」
「全てを見極めてやるつもりです」
「頼むぞ。だが大体はわかっているな」
「そうですね」
 彼はそれに答えた。
「まああの二人の心は見せ掛けだけのメロンです」
「外見だけか」
「そうでしょうね。才能はがらんどうの型押し器、頭の中は空家となっております」
「上手いことを言うな」
「いえいえ」
 にやりと笑った主に対してそう返す。
「それではここは頼んだぞ」
「はい」
 そして二人は仮の関係に戻った。ダンディーニはラミーロに命じる。
「では案内してさしあげるように」
「はい」  
 こうしてマニフィコはラミーロに案内されて酒倉に向かった。そして後にはダンディーニと二人の娘達が残った。彼はここで二人に顔を向けた。
「これでゆっくりとお話ができますな」
「はい」
 二人はそれを受けて頭を垂れた。
「恐れ入ります」
「いやいや」
 そう言われていささか謙遜を覚えながらも話を続ける。
「それでお話ですが」
「はい」
「貴女方はそもそも姉妹であらせられます」
「はい」
「それは愛の轆轤により回され出来上がったものでありますな」
「御言葉ですが」
 ここでティズベが言った。
「私は長女でございます。それをよく御存知下さいませ」
「いえ」
 しかしここでクロリンデも申し出てきた。
「私の方が若いですわよ」
 そう言いつつ姉の方に顔を向けて得意気に笑う。
「若い方が宜しいですわね、殿下も」
「ううむ」
 戸惑うふりをする。それに乗ってティズベがまた動いた。
「殿下」
 そしてダンディーニに対してまた言った。
「子供より大人の方がものを知っております」
「あら、それは」
 だがクロリンデも負けてはいない。
「塩が欠けた水は味がありませんわ。塩も時間が経つと下に沈んで水には味がなくなりますわ」
「ふむ」
「ですから私に」
「いえ」
 しかしティズベも負けてはいない。
「私の塩は永遠です」
「殿下」
 クロリンデが逆襲に出た。
「私の唇を御覧下さい」
「はい」
「よく御覧遊ばせ」
 そう言ってダンディーニに自分の唇を見せる。
「赤いでございましょう」
「ええ」
「口紅なぞつけてはおりませんわよ。そしてこの白い肌も」
「殿下」
 しかしそこをティズベに突っ込まれる。
「それは白粉のせいですわよ」
 そして言葉を続ける。
「この髪を御覧になって下さいまし。女の命は髪」
「はあ」
「髪に勝るものはありませんわ」
「殿下」
 クロリンデも自分の髪を見せ
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