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SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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がやるべきこと。

「ドウセツ、走って」
「ちょっと」
「走れ!」

 声を張り、ドウセツに命令しながら私は正面からフェイタル・ガイダンスに挑んだ。薙刀でフェイタル・ガイダンスの右前足を払うようき斬りつけると、瞬時に体を回して尻尾を武器にして振り回してきた。当たり判定があるのかはわからないが、わざわざ身を使って調べる必要はない。だから私はしゃがんで回避し、私に引きつけるように薙刀を振るう。相手が攻撃をしてきたら回避。それの繰り返しだ。
 奴が私だけを狙っている隙に、ドウセツとスズナは安全エリア、イチとエックスはクリスタルで瞬時に回復すれば同時に危険な状況が少しでも和らぐだろう。
 これでいい。みんなが生き残る可能性が一番高いのは、私が単独で引きつけることだ。それ以外には思いつかなかった。
 ドウセツが本当は弱虫で泣き虫の臆病者だったとしても、冷静で頭が良いドウセツならスズナを連れて安全エリアに避難しているはず。今それを確認している暇はない。
 そして今から私はイチとエックスに言葉を伝えなければいけない。正直、今伝えることができるのかが不安で仕方がない。
 今はなんとか戦えているし、回避もできている。フェイタル・ガイダンスは私を捉えている。役目としては完璧だが、そんなものは一瞬で崩れてしまう。フェイタル・ガイダンスは体系に似合わず俊敏で小回りが利く、そして大きい見た目通りの力強い攻撃に加え、アクロバティックな攻撃を仕掛けてくる。回避できたものの、馬がバク転するなんて想像できるか。
 そんな相手でも私は実行しなければ、私達全員生き残れない。 
 こんなところで……死んでたまるかっ!

「イチ! エックス! 今から一度しか言えないから良く聞け!」

 二人は本当に聞いているのかわからないし、確認もできない。それでも、私は言わなければ何も始まらない。

「私が引きつけているから転移結晶で脱出しろ!! 絶対にだ!!」

 できるだけ声を張り、エックスとイチに命令した私はフェイタル・ガイダンスに一点集中して薙刀を振って引きつけて、回避の繰り返しを実行する。
 私の声は届いたに違いない。あとは私の言った通りに転移結晶で脱出したら私は機会を伺って安全エリアへ避難する。おそらくドウセツはもう、安全エリアに避難しているはず。そこに入れば身の安全が保障されるから、そのことで不安を抱える必要はない。あるとすれば自分の身と、フェイタル・ガイダンスがエックスとイチへ攻撃対象が変更されること、そしてエックスとイチが戦闘に参加することだろう。といっても、戦況を冷静に見られる二人だから参加することなく、私の命令通りに転移結晶で脱出すると思いたい。

「っ……!」

 フェイタル・ガイダンスを薙刀でちょくちょく与えるとじたばた攻撃を仕掛けて来
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