SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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にいるモンスターと同等な強さだと思います」
「きゅ、九十!?」
イチの発言に私は唖然としてしまった。ドウセツはいつも通り淡々としているが、内心は穏やかではないはずだ。
質問した当人であるエックスはというと、「やっぱりか……」と嘆息をつき、もう片方の手で髪の毛をくしゃくしゃに掻き出した。
ボスモンスターが六十層ぐらいのレベルだと甘く見すぎてしまった。まさか最前線よりも十五層分以上の、しかもボスモンスターだったなんて、甘く見すぎた。
「よし!」
フェイタル・ガイダンスが想像以上にヤバいと認識し、絶望に感じるなか、パンっとエックスは自分の頬を両手で挟んだ。
「イチ。振り向くな、あの黒馬から目を離すんじゃねぇぞ」
「は、はい」
するとエックスはイチに指示をする。そして深刻な顔で私とドウセツに話しかけて来た。
「今は大丈夫っぽいがいつ襲ってくるかわからねぇ。だから、今回ばかりはなにがなんでもオレの言う通りに動け、清ましブス野郎」
「……わかった」
ドウセツはエックスの問いに素直に承諾した。普段なら一言二言、余計に罵るはずが今回はそういうこもなく、エックスも酷いあだ名で呼ぶ物の必死さを伝わる言葉だった。
つまり余裕がないことを示すことであった。
「じゃあ手短に話す……といっても、イチが言った通りだ。お前達は安全エリアに批難、そして転移結晶で脱出。そんだけだ」
「エックスは……イチと?」
「あぁ、そうだ」
エックスは当たり前のように言う。もしかしてと思って訊いてみたが、思っていた通り、エックスはイチと一緒に時間稼ぎの役目を買ったのだ。
イチは反論しなかった。エックスも脱出してほしかった彼女はエックスの指示通りにフェイタル・ガイダンスから目を放さなかった。
エックスが私達のために時間稼ぎの役目を買うことはわかった。でも、エックスはイチと違って耐久力はない。どれくらいかはすぐに計算できないが、九層ぐらいのボスモンスターの攻撃に耐えられるわけがない。
だからその役目は危険だと私は止めようとした。
「ちょっと待っ……」
「来ます!」
私の制止は。一匹の大型の黒い馬によって掻き消された。正確に言えば、こちらの作戦行動が強制実行されたと言うべきだろう。
先ほどまで様子を見ていただけだった大型の黒い馬、フェイタル・ガイダンスがついにこちらへ仕掛けてきたのだ。
本当だったらイチが殿を務めるくだりをする暇もなく襲いかかってくることは可能なのに、少しの間だけでも何もしてこなかったのは不幸中の幸いだったが、よりにもよってタイミング悪い。せめて私がエックスを制止さてからでも問題はなかったんじゃないか。
でも、そんなことを愚痴っている余裕なんてない。フェイタル・ガイダンスは私の
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