SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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れも最善な方法ではないかと理解した。この中ならイチが一番耐久力があり、それもSAOではヒースクリフに続く鉄壁さなら、わたし達が安全エリアで避難することもできなくはないはずだ。
でも、殿を務める。つまりボスモンスターを防いで私達に時間を作らせる。ただ、確実にイチが一番危険な役をまかせてしまうことにある。
「貴女がそれでいいなら……私はその案に賛成するわ」
常に冷静であるドウセツはイチの案に賛成する。私もドウセツにはスズナを守ってもらいたいし、戦いには参加さしてほしくはない。どのような案にせよ、ドウセツとスズナは安全エリアへ避難させるのは私の最優先事項だ。
それで私はどうするべきか。イチの案に賛成して私もドウセツとスズナと一緒に安全エリアに批難するべきだろうか。だけどそれではイチが危険だ。保険とも呼べるユニークスキル『完全防御』だって、フェイタル・ガイダンスの奇襲に使ったからもう使用できない。だから万が一のことを考えて、私の回避力を駆使して時間稼ぎに参加するべきなんだろうか……いや、そうするべきか。
イチを見捨てるわけにはいかない。
「……イチ、今から言う質問に正直に答えろ」
「エックス?」
エックスが冷静かつ深刻な表情でイチに訊ねてきた。普段の態度と雰囲気が違うのは一目瞭然。そして私達が今まで見て来た、戦闘でクールになるエックスであった。
でも、なんか府に落ちない。なんでだろう……イチが驚いていることなのかな?
「時間がないから手短に言う。フェイタル・ガイダンスは“やばい”のか?」
「…………」
「正直に言わねぇと、“それほど苦痛”にならない相手として、あいつを倒しに行くからな。別にいいだろ、それくらいのこと」
「…………」
エックスは片手斧をフェイタル・ガイダンスに向け、視線はイチを捉えている。
イチの表情はヘルムを被っているから、今どんな表情をしているのかはわからない。でもエックスだけは、ヘルム越しのイチの顔を見通している気がしていた。
イチがどんな顔をしていても、エックスはイチの返答次第で結果は決まるのだろう。きっとそれは揺るぐこともない、強い意志と冷静さを持っているからイチに訊ねたんだ。
「エックスは酷いですね。わたしがもっとも嫌がることを利用するなんて」
「うっせ。いいから言え。時間は限られている」
ヘルム越しのイチの表情が苦笑いしていた気がした。本当にそうなのかはわからないが、言葉を聞いているとエックスにしてやられてしまったようだ。
となると、今からイチが告げられることの覚悟の意味を理解したほうがいいのかもしれない。
そう思ったように、イチはエックスの質問した返答をした。
「フェイタル・ガイダンスは識別スキルでもデータが見えません。おそらく九十層
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