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SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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直視した瞬間に勢い良く突進して来た。
 ドウセツとスズナを狙わずに私を狙ってきたのはありがたいけど、どうする?
 回避するか? 
 受け止めるか?
 二択と複数あるその他の選択、それをわずか数秒で決断しなければ、やられてしまう。

「回避しろ、キリカ!」

 後ろからエックスの叫び声が轟く。その意味に瞬時に理解できた私は斜め後ろへと回避した。

「ドウセツ! こっち来て!」

 回避すると同時にドウセツに指示を出す。ドウセツはそれを聞き、フェイタル・ガイダンスに気をつけながらスズナを連れてこちらへ寄ってくる。
 上手くいくかはわからないが、やるだけやってみる。
 私はフェイタル・ガイダンスへ突撃する。でも、あまり近寄りすぎないように速度を落としながら接近。速く行くと、“宙に回転している斧に巻き込まれてしまうからね”。
 その回転する斧は真横を通り抜け大型の黒い馬にヒット。そしてその瞬間、爆発がする。斧から爆撃を食らったフェイタル・ガイダンスがよろめいた。
 そうさせたのがエックスのユニークスキルである『トマホーク』と『爆撃』だ。
 詳しいことはよく知らないが、『トマホーク』というユニークスキルはその名の通り遠距離から斧を投げて攻撃するものであり、投剣とは比べ物にならない程の攻撃力を持っている。ただでさえ、攻撃特化が遠距離からでも攻撃できるのに加えて、ダメ押しの上乗せする攻撃力を上げるユニークスキルを持っているんだからたまったものじゃない。それが私の『絶対回避』と同じ分類に値する『爆撃』というものだ。
 単純に武器に爆発属性が加わる攻撃力増加スキル。ご丁寧に爆発エフェクトを発動するが、その爆発エフェクトにはダメージ判定があるらしく、自分を含めて周りのプレイヤーも巻き込まれることもあるそうだ。
 だが、そんなデメリットは『トマホーク』でカバーすることで自分自身が『爆撃』に巻き込まれて自分のHPを削ることはなくなる。鬼に金棒ということわざがあるけど、エックスは鬼にバズーカと言ったところだろう。
 エックスが投げた片手斧が後方へと戻ったのを確認した瞬時に走る速度を上げて、フェイタル・ガイダンスに近寄る。
 体勢を立て直す前にもう一撃ぐらい追撃しようとするが、すぐに立ち直ってイチをぶっ飛ばした鍛え抜かれた足は、今度は私を蹴り飛ばそうとしていた。

「助かるよ、エックス」

 感謝の言葉を呟き、私は『絶対回避』で確実に回避する。そして竜巻を描くように薙刀を回転させてから純白の閃光を引き、振り上げる。
『神風』でどんな巨大な物でも神の風が吹き荒れれば、吹き飛ばされてしまう。それは大型の黒い馬も例外ではなく、前方へとぶっ飛んでいき、安全エリアから引き離すことができた。
 よし、十分な距離ができた。いろいろと整えることがで
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