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ソードアート・オンラインーツインズー
SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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と言うことも無くはない。でも、一か八かで地下ダンジョンを脱出する無謀作をとるとは思わない。それに、一時間前にユリエールさんのマップを拝借したのと、ユリエールさんの言葉から数日間は安全エリアから出ていなかった。今になって、安全エリアを出て脱出するとは思えない。だからこの可能性はほぼないと見ていいはず。ドウセツがそのことを言わないのは、可能性がほぼないからなんだろう。
 
「ちっ、外れか」

 舌打ちをしてぶっきらぼうな態度をとるエックスを見て、イチはクスクスと微笑むように口にする。

「何だかんだでシンカーさんとユリエールさんのこと心配しているんだね」
「そ、そんなんじゃねぇぞ! 誰があんな『軍』の連中の心配なんかしなくちゃいけねぇんだ!」
「エックス様、照れてる」
「だ、誰が照れてるだ! こ、これは武者ぶるいだ!」

 否定の使い方間違っているって。もしかしなくても、エックスはスズナに図星をつつかれて動揺している。そして照れ隠しするように否定をしているんだ。

「素直に照れているって言ったら?」
「清ましブス野郎は黙ってろ!」

 からかわれるのに耐えられないエックスは、

「先に行っているぞ!」 

 後ろを振り返ることをせず安全エリアへ先に行ってしまう。必死に照れ隠しするエックスを私とイチは温かく見守る。そしてエックスを見守ると思わず笑みがこぼれてしまった。もうちょっと可愛ければモテるんだろうなぁ……なんてね。

「猿は置いといて、これからどうするの?」
「ドウセツさん……」

 エックスを猿発言するドウセツに、イチは苦笑いした。でも否定しないと見ると、うるさいとは思っているようだ。私もそれは否定できない。ごめん、エックス。
 それでこれからどうするか……とりあえず確認だけでもするか。
 私はマップを表示させ、兄達の位置を確認する。ユリエールさんとはフレンド登録していないが、兄とアスナはフレンド登録しているため、現在位置を示すフレンドマークを見ることができる。
 二人の光点は地下ダンジョンに表示されている。ということは、兄とアスナ達は地下ダンジョンにいて、まだシンカーさんを見つけていないってことになる。

「こっちにシンカーさんはいなかったから、あっちの方にいる確率は高い。だから私達は安全エリアで待機して、転移結晶で『はじまりの街』に戻ったら私達も戻ろう」
「そうね」

 ドウセツはあっさりと受け入れた。今から向こうに行き、兄達と合流するのも考えたが、兄達がシンカーさんを見つけ出す時間と、今いる位置から分かれ道へ戻る時間を考えると合流することは叶わないだろう。それだったら、安全エリアで待機していた方がいい気がする。
そういうわけで私達はエックスを追って前へ進むと、先頭に立って先に進んでい
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