SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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た。当然、フェイタル・ガイダンスとは初戦闘でじたばたするとは思ってもみなかった。
幸い、なんとか後ろに下がって攻撃範囲内ギリギリで回避することに成功。だけど、反応が遅れたらどうなっていたかわからない。想像したくはない……。
今はできることだけを、精一杯なにがなんでも切り抜けるしかない。私が思いつくことは、それしかないんだから。
ふと、視界には先ほどいたエックスとイチの姿がどこにも見当たらなかった。
…………もしかしたら。
私はフェイタル・ガイダンスを薙刀で横なら斬りつける。反撃に攻撃判定があるのかないのかわからない尻尾で円を書くように攻撃してくるのをしゃがんで回避。その時の一瞬で安全エリア側を一瞥する。
次の攻撃が来るため、ほんの一瞬しか見られなかったけど…………赤髪と全身鎧が見えなかっただけで十分だ。
これで後は私が安全エリアに批難できたら全てが終わる。そうすれば、みんな明日を迎えることができる。
油断しちゃ駄目だ。気を緩むな。時間をかけてもいいから、一番安全な方法で帰る。回避しながら徐々に安全エリアへ避難すれば成功になる。
今この場にいるのは、でっかい黒い馬と私だけなんだからね。
「駄目! 戻ってきなさい!」
…………。
……な、なんだ……? 幻覚…………か……? げん、かく……なのか?
ドウセツが、ドウセツがどうしてまだ……。いや、それは別にいいんだ。安全エリアに入っていれば。
じゃあ、何故ドウセツが叫んでいるのか。
まさか……。
思い浮かんだのは私のことをお父様と呼ぶ、感情が乏しい少女。
視界に映ったのは巨大な黒い馬が突進してくる恐怖と絶望を突きつける現実。
しかし、私は必死に体を動かし、飛び出すようにジャンプして回避した。
それが間違いだった。
「しまっ……!」
私が回避したことで、フェイタル・ガイダンスは安全エリアに向かって猛突進。その先には何故かスズナが安全エリアから出ていた。そして、フェイタル・ガイダンスの標的は完全にスズナを捉えてしまった。
どうしてスズナが安全エリアから出たのかはわからない。理由を求めるのはいい。今はスズナを救う方法を求めるべきだ。
スズナが安全エリアから出て、フェイタル・ガイダンスはスズナを轢こうとしている。その速さは車並で、今から助けに行っても絶対に間に合わない。なら、ドウセツがスズナを助けるのはどうだろうか。
いや、駄目だ。間に合わない。
確信はない、根拠もない。スズナを助けようとしたところで二人共轢かれてしまう最悪の結果が見えてしまう。
その結果をこれから事実になるように、ドウセツが安全エリアを出てスズナに駆けつけようと走り出す。敏捷力が高いドウセツでも、フェイタル・ガイダンスはそれを上回るスピードで
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