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SAO編−白百合の刃−
SAO30-運命の導きに癒す子守唄
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言う言葉が一個も言えずに噛みまくってあたふたして首をブンブン振りながら同行を拒否した。べ、別に兄とアスナとの同行が嫌なわけじゃないんだよね?
 にしても、ガッチガチの鎧姿であり得ない程噛む姿って、なんかシュールだなぁ……。

「じゃあ、エックス」
「エックスはキリトさんやユリエールさんに迷惑かかるので、キリカさんと同行したほうがいいと思います」
「おい、なんでオレの時だけ饒舌になって噛まなくなるんだよ!」
「だってホントのことですし……」
「悪かったな、問題児でよ!」
「はい」
「はいじゃねぇよ! やっぱてめぇが行け!」
「むみゅ、みゅみゅみゅみゅ!?」
「少しは頑張って断れよ!」

 結局右側の誰かが左側へ移すのか決められず、メンバー変更なしのままそれぞれの道へ進むことになった。
 
「キリトさん……大丈夫でしょうか?」
「貴女が噛みまくるまで断らなければ、そう思うことなかったのにね……」
「あぅ……」

 ドウセツの毒舌、もとい正論がグザッとイチの心に突き刺さったようだ。

「おい、イチ。あんな清ましブス野郎のことでいちいち泣くな」
「な、泣いていません……」

 そんなイチをエックスがいかにも慰めていると思わせないように慰めていた。
 でも、単にドウセツのことが気に食わないだけだということもあるから、どっちなのか確かめてみるか。

「あらあら、今日も不器用な慰め方ですね〜」
「てめぇの頭はメルヘン畑か? んなわけねぇだろうが、アホ!」

 結果。
 エックスの表情は怒っているようにも見えて、なおかつ照れ隠しをしているようにも見えたので、どっちという結果なんだろうな。

「そういうことにしとくね〜」
「そんなんじゃねぇって言っているだろうが!」

 エックスはストレス発散するように、目の前に現れたモンスターと戦闘を始めた。
 結局偏ってしまったけど、一人分の戦闘力は兄ならなんとかなるだろう。モンスターも、こっちはエックス一人で十分だから向こうも兄だけで十分なはず。
 このまま想定外なことにはならないことを祈って、シンカーさんを救出しよう。
 それから何事もなく進んで行って一時間が経過。

「あれ、安全エリアじゃないですか?」

 イチが指す方向に暖かな光の洩れる通路が視界に映った。

「でも残念ながら、誰もいないわね」

 ドウセツは索敵スキルで確認していた。私も索敵スキルで確認するとプレイヤーを表すグリーンマークは安全エリアには無かった。つまり、先にある安全エリアにはシンカーさんはいないという結論になる。

「てことは、兄が行った通路にシンカーさんがいると言うことか」
「めんどくさいことにならなければそうなるね」

 あるいはシンカーさんが飛び出した
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