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『ある転生者の奮闘記』
不沈戦艦大和
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 時に統一宇宙歴九三五年。

 人類は平穏に暮らしていた。先の第一次宇宙大戦においてドクツは植民地惑星の全てを失い二等国となっていた。

 やがては一人の天才少女を生み出すにはまだ時間があった。

 そして物語は世界最古の国家である日本帝国で始まったのであった。



――日本星域、呉宇宙港――

「何ッ!? 長門は期待するほどの不沈戦艦ではないのか?」

 宇宙港のとあるビルの一室で二人の男が話し合っていた。

「じゃあ茂の基本設計が間違っていたのか?」

 海軍の佐官服に身を包んだ男――山城歳樹中佐は造船中佐の福田茂に問う。

「いや設計は間違ってないよ。海軍が提示した予算でやりくりしたから自信作だよ」

「それなら……」

「長門はね、五十口径四十一サンチ連装レーザー砲四基を搭載するけど将来に備えて四六サンチ連装レーザー砲に換装出来るようにしてあるけど、予算の都合で複合装甲は全体の五三%で後は無装甲なんだよ」

「むぅ……」

「ガメリカの戦艦の基準装甲率は約六六%だけど、どう見て低い値なんだ」

「……ならどうしろと言うんだ? まさか今から空母を建造するのか? そうなれば歴史はゲームとは変わってくるぞ」

「この世界に僕達がいる時点で既におかしいよ」

 茂はそう言って笑う。この二人は所謂転生者であった。山城も当初は原作を知っている事もあったので宇宙航空母艦の建造を技研に申し込んだらたまたま居合わせた茂と意気投合して今日まで至るのだ。

「それならどうするんだ?」

「これを見てくれないか?」

 茂はそう言って山城にある設計図のデータを見せた。

「しゅ、主砲は五十口径五十一サンチ三連装レーザー砲三基で基準排水量は約十二万トンだとッ!?」

 設計図を見て山城が驚いた。

「作れるのか?」

「自信はあるよ。日本もその水準には達しているしね。あのワシントン軍縮条約が無ければ、長門も竣工予定の日向ももっと早くに登場していたよ」

 ワシントン軍縮条約とは統一宇宙歴九二十年に成立した各国の戦艦保有率を押さえる条約であった。

「……だがまだ不安材料がある。その戦艦を何処で建造するかだ長門でさえ、呉宇宙港を増築したほどだぞ?」

「その心配はないよ。旅順宇宙港で建造するから」

「旅順宇宙港だとッ!?」

 旅順宇宙港とは惑星満州にある宇宙港であり、今は日本陸軍が占領して中帝国の睨みを効かしていた。

「それに陸軍艦隊も退役や解体したりして資源を提供してくれるようだ。向こうも戦艦より護衛艦や輸送船を建造した方がいいと判断しているみたいだしね」

「……分かった。それなら前倉長官に頼んでみよう」

 山城は了承
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