第三幕その五
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ここは下がらせてもらいましょう。ただし」
「何でしょう」
マニフィコに声をかけた。彼は席を立って振り向いて答えた。
「このことは忘れませんからな」
「はい」
それを聞き流した。そしてマニフィコを見送った。
「さてと」
彼はそれを見届けると立ち上がった。
「それではこっちも行くとするか」
そして彼も部屋を後にした。入れ替わりにアリドーロが部屋に戻ってきた。
「いかんいかん」
彼は部屋の中で何かを探していた。
「マントを忘れておったわ」
彼はカーテンの裏を探した。そしてマントを取り出しそれを身に纏った。
「これでよし。ふむ」
身に纏ってから辺りを見回した。
「ダンディーニも行ったかな。ならばよい」
それを確認して満足したようであった。
「彼の同行は殿下も望んでおられるからな。さて」
彼は部屋を後にした。扉に手をかけてから呟いた。
「私も行かねばな。早く追いつかねば」
それから部屋を出た。部屋の灯りはそのままであったがやがて従者達が来てそれを消した。そして後には暗闇だけが残った。
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