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星河の覇皇
第一部第二章 銀河の群星その七
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に残念だけれども」
 彼女は八条に微笑んで言った。
「行ってらっしゃい。健闘を期待するわ」
 彼女もまた彼の本心がどうであるかをを知っていた。
「わかりました。ご期待に沿えましょう」
 彼は答えた。それで彼の一生は決まった。
 それから数ヵ月後キロモト大統領は連合中央軍の設立構想を発表した。日本は最初にその発表に支持を表明し参加を希望した。そして早速それの是非を問う選挙が行なわれ圧倒的支持を得た。日本人の連合中心主義によく合ったものであったからだ。
 無論反対もあった。だがその旗振りをしている政党の党首及び幹部があまりにも稚拙な人物であった為支持はごく一部であった。しかもこれからどうするべきか、日本人は彼等が思うよりも遥かによくわかっていたのだ。
 その党首は落選後宇宙海賊との黒い関係を暴露された。マスコミの一部は彼を擁護したがこのマスコミも以前より海賊の人権を擁護しておりその関係もネット等で知られていた。そのマスコミは結果倒産し党首共々裁判にかけられ実刑判決を受けた。彼等は最後まで己が罪を認めずこともあろうに裁判の場やテレビの前で互いに責任を擦り付け合った。世の人々はそれをおおいに嘲笑したという。
 日本の参加は大きかった。日本に同調する国家が次々と中央軍に参加を申し出てきた。三ヶ月もした頃には中央軍に参加していないのは日本以外の主導的な大国達とそれに近い国々だけとなっていた。
「その国々においても区内世論が高まっております。いずれは参加することになるでしょう」
 キロモトは笑顔で八条に対し言った。
「はい、ですが問題もあります」
 八条は顔を引き締めて言った。
「それは?」
「各国それぞれの機関です。例えば士官学校や技術班等はどうしましょう」
「士官学校はそのまま置きます。教育機関は減らさないほうがいいでしょう」
「ですね。ただし教育内容は統一させたほうがよろしいかと」
「それは当然です。学校ごとに違う教育が行なわれていたら軍の編成や統制にも支障をきたします」
 この言葉は意外だった。キロモトはそこまで考えることが出来たのだ。
(悪く言えば大雑把というイメージの強い方だったが)
 八条は彼の顔を見ながら思った。
(これは案外細かいところまで見ていてくれているな)
 そう思うとこちらもやる気が出た。
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