第五十五話 迫り来る惨事
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第五十五話 迫り来る惨事
パリでの戦いの後。ロンド=ベルはまずは無事ゼダンに入ることができた。ゼダンまで敵は出ず彼等はここで無事修理及び補給を受けていた。
「とりあえずはよしとすべきだな」
「そうですね」
ブライトの言葉にトーレスが頷く。
「ゼダンに無事入られてこうして補給を受けられるのだからな」
「修理も」
「これが終わったならばだ」
ブライトはまた言う。
「いよいよ日本に向かう」
「日本に」
「そうだ。しかし」
だがここでブライトの顔が曇った。
「おそらくそれまでにまた」
「出て来ますね。彼等が」
「そうだ」
今度はサエグサに答える。
「また異世界からの来訪者か」
「やはり。何かあるか」
ブライトはそれを察していた。
「こうまで異世界からの訪問者が出て来るからな」
「それですか」
「それだ」
サエグサのその言葉に応える。
「偶然にしては重なり過ぎているしな」
「バルマーだけでも厄介なのに」
「そのバルマーにしろだ」
ブライトはまた言った。
「このところグラドス以外は動きがない。彼等にも何かがあるのか」
「火星での敗戦が響いた?」
そう予想立てられた。
「そうではないでしょうか」
「確かにあの敗北は彼等には大きかっただろう」
ブライトはそれはわかっていた。
「しかしだ。それでおいそれと勢力を衰えさせる程度か」
「バルマーがですか」
「そうだ」
ブライトはバルマーの勢力の強さがわかっていた。
「あの程度で。衰えるか」
「それは。言われると」
「そうだな。そんな容易な奴等じゃない」
そこにいたアムロが応えた。
「アムロ」
「火星での戦いは大きかったが。それでもあれ位で衰える程度じゃない」
「バルマーでも何かがあるのか」
ブライトの次の予想はそれだった。
「彼等の中で」
「バルマーについてはわからないからな」
アムロはこう述べてその顔を曇らせた。
「しかも全くな」
「少なくともだ」
ブライトはさらに言った。
「彼等は今二つの方面軍をこちらに向けている」
「確かあれですよね」
トーレスが言ってきた。
「外銀河方面軍と銀河辺境方面軍」
「それだな」
アムロが応えた。
「その二つだ」
「その彼等が同時に来るというのは有り得るのか」
「普通はないわ」
答えたのはヴィレッタだった。
「バルマーの勢力の大きさは知ってるわよね」
「ああ」
今度はアムロがヴィレッタの言葉に頷いた。
「五つの方面軍があって普通はそれだけで一つの敵に向かうのよ」
「そうだったのか」
「前の戦いもそうだったわね」
バルマー戦役の話だった。
「あの時か」
「そうだ。あの時だ」
また告げた。
「あの時は銀河辺境方面軍だけだったな」
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