第五十四話 望まれぬ訪問者
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ら」
「仕事だと」
「そ、そうです」
デスピニスがおどおどとした様子で彼に答えた。
「ですから私達は貴方の援護に」
「そんなものはいらん」
しかしフォルカの態度は相変わらずだった。
「俺は一人でやれる」
「あれだけの数がいても?」
「そうだ」
ティスにもつれない言葉だった。
「だからだ。帰れ」
「そうしたいのはやまやまになったけれどね」
彼女もフォルカの態度に機嫌を悪くさせていた。
「それでもこっちも仕事なのよ。だからね」
「好きにしろ」
またしてもつれない言葉だった。
「御前達が戦いたいのならな」
「ええ、そうするわよ」
頭にきたような言葉だった。
「デスピニス、やりましょう」
「う、うん」
まずはティスに対してこくりと頷く。
「わかったわ。フォルカさん」
「今度は何だ?」
「御気をつけて下さい」
こう彼に声を贈るのだった。
「私達も頑張りますので」
「この場合は有り難うと言うべきなのか」
それがわからないといった感じの言葉だった。
「だが。御前も気をつけろ」
「は、はい」
またおどおどとした様子で頷く。
「有り難うございます」
「じゃあ行くよ」
ティスが指示を出した。
「ロンド=ベルだったわね。覚悟しなさい」
「じゃあ行くか」
ラウルが最初に前に出た。
「派手にな!」
「全軍攻撃開始です!」
レフィーナが指示を出した。
「攻撃目標前方の敵軍!」
「了解!」
両軍は戦闘に入った。その中で。フィオナがコウタに声をかけてきた。
「いける?」
「ああ!」
大きな、はっきりとした声での返答だった。
「これ位でな、いちいちよ!」
「わかったわ。じゃあ頼むわ」
それを聞いて安心したように微笑むのだった。
「どうやらあの長い髪の毛のマシンは相当手強いみたいだけれどね」
「ああ、それはな」
彼だからこそそれはわかるのだった。
「あの強さ、半端じゃねえ」
「一機で駄目なら援護するわ」
リオも来た。
「それでいいかしら」
「いや、俺がやる」
しかしコウタは彼女のその申し出を断った。
「俺達は一人じゃないからな」
「一人じゃない」
「私もいます」
ショウコが出て来た。
「お兄ちゃんと二人で」
「何かそうなっちまったんだよ」
コウタは少し照れ臭そうに述べた。
「だが。それならそれでいいさ」
「そうなの。何かあたしと全然違うわね」
フィオナは自分のことを思いながら述べた。
「そこんところは」
「じゃあとにかく頑張ってね」
リオはこう声をかけるしかなかった。
「死んだら駄目よ」
「はじめてで死んでたまるかよ!」
コウタは相変わらず強気だった。
「おい、そこの御前!」
「フォルカだ」
「そうだ、フォルカ!」
あらためて彼の名を叫ぶ
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