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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第五十四話 望まれぬ訪問者
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悪い悪い」
妹に言われてコウタは素直に謝る。二人は今橋の上にいてそこからセーヌ河を眺めているのである。そのセーヌ河を見てコウタは言う。
「クレープ食いたくなったな」
「さっきお昼食べたばかりじゃない」
「それでもだよ」
兄は言う。
「腹が減ったから仕方ないだろ」
「もう、食べてばかり」
「じゃあそのクレープだけれどな」
今度は妹の話を聞かなかった。
「どの屋台がいいかな」
「そう言われても」
ショウコも首を捻るしかなかった。
「何処がいいかしら」
「わからねえのかよ」
「だって。パリははじめてよ」
それが一番の理由だった。
「どのお店が一番かどうかなんてわからないわよ」
「おっと、それもそうか」
「そうよ。それに」
理由はまだあった。
「パリって言っても広いし」
「だよな」
これにはすぐに頷くことができた。
「こんなに広いなんてな」
「東京や大阪と同じね」
「ああ」
妹の言葉に対してまた頷く。
「何か道に迷いそうだな」
「小道もあるし」
「じゃあ。あそこにするか」
とりあえずといった感じで手近にある屋台を指差した。
「クレープだよな、あれ」
「見たらわかるじゃない」
見れば確かにクレープ屋だった。丁度客がそれを買って食べている。
「じゃああれでいいや。食おうぜ」
「ええ、わかったわ」
二人はそのままクレープ屋に行き一つずつ頼んだ。そのうえで二人仲良く食べるのだった。クレープの甘さと美味さが二人を幸せにする。
「なあ」
その幸せの中でコウタは妹に声をかけた。
「何?」
「ロンドンじゃ派手な戦闘があったんだよな」
「ええ」
兄のその言葉に頷く。
「そうよ。ロンド=ベルとグラドスの」
「ここにも来るかな」
コウタの今度の言葉はこうだった。
「ロンド=ベルは」
「さあ」
兄のその言葉には答えられなかった。首を捻ってしまった。
「どうかしら、それは」
「来ればいいよな」
楽しそうな笑顔を見せた。
「じゃあクレープもう一ついくか?」
「まだ食べるの?」
「腹が減ってるから仕方ないだろ」
こう妹に言い返す。
「御前はいいのかよ」
「私は別に」
そう言って断る。
「食べたいのならお兄ちゃんだけね」
「わかったよ。それじゃあ」
彼だけ買って食べる。そんなことをしながらパリを楽しんでいると。やがて空が暗くなった。
「何だ?」
「雲?」
それに気付いて上を見上げるとそこにいたのは。
「なっ、バルマーか!?」
「いえ、違うわ」
ショウコはコウタのその言葉を否定した。
「あれはバルマーのものじゃないわ」
「じゃあ何なんだよ!」
「わからないわよ。けれどあれは」
『修羅だ』
不意に誰かの声がした。
「えっ!?」
『修羅だ』
また声がした
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