第五十三話 非道、ゴステロ
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
。
「安心していい」
「そうかね。あたしはそうは思えないけれどね」
今度はイズミに顔を向けるリョウコだった。
「どうしたものだか」
「まあ実際会ってみないとわからないよ」
アキトも言う。
「敵が本当にいるんならね」
「そうか。それにしても」
ここでリョウコは腕を組み首を捻る。
「どうにもこうにも。ユーラシアのルートも毎度色々あるよな」
「そうだよね、本当に」
彼女にヒメが応える。
「敵に一杯会うよね」
「敵に会うのはいいんだよ」
リョウコもそれはいいとするのだった。好戦的な彼女らしい。
「ただな」
「ただ。何?」
「日本大丈夫かね」
彼女が気にするのはそれであった。
「邪魔大王国やら百鬼帝国やら出てな」
「何か向こうも大変らしいよ」
またアキトが言ってきた。
「何しろ毎度毎度敵が出るからね」
「だよな。とにかく急ぐしかねえか」
「だから今ロンドンを出たんだよな」
勇が述べる。
「行く先はパリか」
「今度はパリは大丈夫なんだろな」
ダイゴウジはそれを問う。
「その謎の敵が出て来るか?」
「有り得ますね、それは」
ルリが出て来た。
「少佐・・・・・・」
「確かに百鬼帝国と邪魔大王国の行動は日本に限られています」
「え、ええ」
「確かに」
これは皆もう知っていた。
「ですが。その謎の未確認機は各地で発見され報告されています」
「各地で」
「パリもその可能性は皆無ではありません」
そのうえでこう述べるルリであった。
「ですから。皆さん」
「おう」
「わかってるさ」
彼等の言葉はもう決まっていた。
「御願いしますね」
「ああ。ところでルリちゃん」
「はい」
勇に対して応える。
「補給はどうするんだい?」
「ゼダンで受けます」
「ゼダン!?まさか」
勇はゼダンと聞いて思わずルリに問い返した。
「ゼダンは宇宙にあるのに。そんな」
「地球のゼダンです」
しかしルリはここでまた言ってきた。
「そこでです」
「ああ、あそこのゼダンか」
勇も今の言葉でようやくわかった。
「それならいいよ。成程」
「パリで若し何かあったとしても」
ルリはまた言う。
「一戦程度ならば大丈夫です」
「エネルギーも弾薬も」
「その通りです」
こう一同に述べた。
「では。皆さん」
「ああ」
ルリの言葉に応える。
「行くか」
「日本にな」
彼等は再び日本に戻る。そこまでの戦いを予感しながら。再び戦場に向かうのだった。
第五十三話完
2008・4・11
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ