暁 〜小説投稿サイト〜
スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第四十七話 楽園からの追放者
[9/21]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
リーズ」
ここでギリアムははじめて彼女に声をかけた。それまで一言として声をかけてはいなかったというのにだ。今ここではじめてであった。
「問おう。君は我々の味方なのか?」
「信じてもらえるのなら」
「信じてもらえるだと」
「私は・・・・・・まだ自分がわからない」
その声には彼女が今まで見せたことのない感情があった。迷いであった。
「だが。それをロンド=ベルで見つけられるのなら」
「そうか、わかった」
彼女のその言葉を受けて頷くのであった。
「いいだろう。ゼンガー、レーツェル」
そのうえで二人の戦友に問うた。
「異存は?」
「ない」
「行動でその証を立てるのであれば」
それが二人の言葉であった。この二人が言うのであれば他の面々にも異存はなかった。彼等にはそれだけの重みがはっきりとあった。
「・・・・・・了解」
こうしてラミアは再びロンド=ベルに戻ることになった。しかしその彼女にアクセルが言うのであった。
「甘いな」
表情を変えることなく言う。
「その甘さが新しい世界の妨げになるとわからんようだな、御前には」
「今まではわかろうともしなかっただけだ」
だがラミアはここでこう言葉を返すのだった。
「私は指令さえこなしていれば良かった。だがその味を知ってしまった」
「その味?」
「そうだ」
またアクセルに対して告げる。
「それだけだ、アクセル=アルマー」
「ふん」
しかしアクセルはラミアの今の言葉も一笑に伏すのであった。彼はまだわかろうともしていない。だからこそであった。
「ならば御前はこの世界をどうする気だ?」
こうラミアに対して問う。
「戦いを終わらせ平和をもたらすつもりだとでも言うのか?」
「それは」
「W17よ」
今度はヴィンデルが彼女に言ってきた。
「平和は何も生み出さん。ただ世界を腐敗させていくのみ」
それこそが変わらない彼の思想であった。
「そして闘争を忘れた者達は兵士を・・・・・・軍を切り捨てる」
こうも言う。
「我等の存在を否定するのだ」
「わかっておられないようですね、ヴィンデル様」
だがラミアはこうそのヴィンデルに言い返すのだった。
「何だと?」
「戦いに他人を巻き込み、殺すことでしか存在を見出せない」
こう語る。
「その後に何が残りますか?生まれるものと失われるもの」
次にこう。
「それは等価値ではない彼等の中の一人もそう言っていたはず」
「貴様・・・・・・」
「ラミア」
今度はレモンが彼女に声をかけてきた。しかしそこには何故か優しい響きが込められている。
「知恵の林檎を食べたアダムとイブは楽園から追放された」
聖書の楽園追放であった。
「それでいいのね」
「承知です」
だがラミアはそれも受けた。毅然として。
「ならば私は自分の足で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ