第四十七話 楽園からの追放者
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がか」
「そうです。緩やかな腐敗」
まずはそれであった。
「平和という安息を隠れ蓑に連邦は、いや世界は少しずつおかしくなっていったと言います」
さらに言う。
「ヴィンデル様はその世界を憂いクーデターを起こしました」
「絶えず争っている世界を作る為にだな」
「そう、戦争は終結してはならない」
今度はアムロの言葉に答えた。
「その後に待つのは平和という名の腐敗。だが闘争が日常である世界ならそれは永遠に起こることはない」
「そんなもの!」
カミーユはその言葉を一言で言い捨てた。
「理論上のものだ!起こる筈がない!」
「理論上と言うよりは確率の問題だ」
しかしラミアは彼にも言う。
「闘争を日常とする世界であれば腐敗が起こる可能性は低い」
「なら何故それをこちら側で実証しようとする?」
「無責任な言い方かも知れないけど向こうでやってよって感じ?」
キョウスケは無表情だがエクセレンは顔を顰めさせていた。
「そうよね、全くよ」
ミレーヌもそれに同意する。
「迷惑よ、そんなの」
「シャドウミラーがこちら側に来た理由」
だがラミアはまた語りはじめた。
「それはある部隊に敗れたからです」
「その部隊ってもしかしてヴィンデルって人が言ってた」
リオが問う。
「そう。ゲシュペンストマークスリーIを隊長機とした連邦軍特殊鎮圧部隊ベーオウルブズ」
まずはこう答えるラミアだった。
「隊長はキョウスケ=ナンブ大尉」
「俺か」
「ああ、それでなのね」
エクセレンもここでわかった。
「どうして彼がキョウスケにこだわったのかね。お姉さんわかったわよん」
「つまりあっちの世界で中尉にコテンパンにされたのね」
「そうだな」
カーラとユウキはこう考えた。ラミアはそれにも答える。
「データでは互角だったと聞いています」
「データではか」
「しかしベーオウルブズは今のロンド=ベルとほぼ同じ戦力を持ち」
「俺達とか」
「結果シャドウミラーは彼等に追い詰められてしまったのです」
「それでこちらに移転したのね」
「はい」
タリアの問いに頷く。
「じゃあその方法は?」
リツコが尋ねる。
「どうやってここに」
「それについては俺が説明しよう」
ここでギリアムが出て来た。
「話はもうわかっているな」
「あ、ああ」
「あんたもだったな」
皆それはもうわかっていた。だからこそ彼の言葉に頷くことができた。
「向こうでの俺はテスラ研でシステムXNという装置の研究に従事していた」
まずはこう言う。ツグミはそのシステムに目を止めた。
「システムXN!?」
「空間、次元転移装置のことだ」
ギリアムはすぐにそれに答える。
「二基存在しそれぞれ『アギュイエウス』、『リュケイオス』という」
「そうなのですか」
「だが
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