第四十六話 紅の幻想
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攻撃開始です」
アムロとアーチボルトがそれぞれ指示を出した。両軍はあらためて総力戦に入った。
その中でアラドとゼオラは二人に向かう。オウカが彼等のフォローをする。
「いい、二人共」
「ええ、わかってますよ」
「ここで何としても」
「それが無理でも」
オウカはここで最悪のケースも考えていた。
「二人の心をこちらに向けるのよ」
「二人のですか!?」
「ええ、そうよ」
これがオウカの考えであった。
「少しずつだけれどこちらに向けられているから」
「だからですね」
「いいわね」
また二人に告げた。
「周りの敵は私が引き受けるわ。だから」
「すいません」
「そちらは御願いします」
そうは言いながらも二人も周りの敵を切り払っていくのだった。そうして前に進む。オウカはその二人の横や後ろから来る敵を蹴散らしていた。見ればシャインとラトゥーニもそこにいる。
「このまま前に。見えたわ!」
「はい!」
「それじゃあ!」
二人はラミア、アクセルの前に前に来た。そうして今言うのだった。
「ラミアさん、アクセルさん!」
「本当に今ここで!」
「まだ言うか!」
「シャドウミラーの俺達に!」
「操られてるだけなんですって!」
アラドはその二人に言う。
「それをわかって下さい!」
「私達と一緒にいたじゃないですか!」
ゼオラもアラドに続く。
「あの時を。ですから」
「もう一度俺達と一緒に」
「御前達と」
ここでラミアは無意識のうちに言葉を出していた。
「一緒にいた時」
「そうです、あの時です」
アラドはここぞとばかりに彼女に告げる。
「あの時と同じようにこれからも」
「私達と一緒に」
「またしても戯言を」
相変わらずの調子のラミアであった。
「私はシャドウミラーのW17だと何度言えばわかるのか」
「だから言ってるだろ!」
「そうです!」
しかし二人も退かないままであった。
「何度だって言うって!」
「だからラミアさん、アクセルさん!」
二人は懸命に呼びかける。
「もう一度ロンド=ベルに!」
「戻って下さい!」
「・・・・・・戻る」
不意にラミアの中に何かが宿った。
「私は人形なのにか」
「人形なんかじゃないんですって!」
「アラドの言う通りです!」
「私が人形ではない」
ラミアの目がまた動いた。
「どういうことだ。では何だというのだ」
「人間なんですよ!」
「私達と同じ!」
「御前達と同じ・・・・・・私が」
「それをさっきから言ってるんじゃないですか」
「本当にわからないんですか!?」
二人も必死だった。これまでになく必死にラミア達に訴えかけていた。
「人間なんですよ!」
「人形なんかじゃありません!」
「私は・・・・・・人形ではないのか」
「俺もまた」
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