第四十六話 紅の幻想
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ヴィレッタはまたライに声をかけてきた。
「はい」
「もう一つ貴方に言わなければならないことがあるわ」
「それは一体」
「私は」
ヴィレッタは語りはじめた。
「私はイングラムのクローン」
「えっ!?」
「何と」
それを聞いたそこにいる者全てが驚きの声をあげた。
「イングラム少佐のクローンだったなんて」
「まさかとは思っていたが」
「彼の代行者として創られた存在」
こう告げるのだった。
「そして」
「そして?」
話はさらに続いた。
「私の役目は貴方達と共にSRXで来るべき脅威を振り払うこと」
また告げてきた。
「それが私の真意よ」
「じゃあそれでいいさ」
「えっ!?」
今度はヴィレッタが驚く番であった。リュウセイの言葉に対して。
「今何と」
「だからそれでいいんだよ」
またリュウセイは言ってきた。あっけらかんとした調子で。
「クローンなんて今更って感じだしよ」
「それもそうだな」
タケルがそれに頷いた。
「そんなのはもう全然問題じゃないな」
「そうなの」
「行きましょう隊長」
ライがここでまた言ってきた。
「俺達の仲間を助ける為に」
「ライ・・・・・・」
「例えどのような過去を持っていようとも」
ライはさらに言葉を続ける。
「俺達はSRXの下に集ったチームなのでしょう?」
「ええ」
「それで充分です」
笑った。珍しく曇りのない笑みで。
「隊長、マイの後を追いましょう」
「わかったわ。ライ」
「はい」
「・・・・・・ありがとう」
ライに礼を述べる。また一つ彼等の中の絆が出来上がったのであった。
マイは土佐湾上空にいた。そこで彼女は突如としてシャドウミラーの軍勢に出会ったのだった。
「おやおや」
その軍の指揮官はアーチボルトであった。
「ロンド=ベルですか。どうやら偵察のようですね」
「くっ、こんなところで」
「ですが偵察とはいえ容赦はしませんよ」
酷薄な笑みをたたえて告げるのだった。
「私とてシャドウミラーなのですからね」
「戦うしかないか」
「さて、敵は一機です」
その酷薄な笑みのまま指示を出す。
「ゆっくりと時間をかけて仕留めなさい」
「駄目か」
幾らマイといえど数が違い過ぎた。こう判断するのも当然だった。
「ここが私の死に場所か」
「マイ!」
だがその時だった。クインシィが姿を現わしたのだった。
「クインシィ、どうしてここに」
「御前の行く先は感じていた」
彼女の勘であった。
「やはりここだったか」
「そうか、私の動きを読んでいたのか」
「それは少し違う」
それは否定するのだった。
「違う!?」
「そうだ。御前のことが心配だった」
こうマイに言う。
「だから勘を頼りにここに来たんだ。正解だったか」
「私を心配
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