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スーパーロボット大戦パーフェクト 第三次篇
第四十六話 紅の幻想
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「全く。どういった奇特な人達なんでしょうね」
アーチボルトは話を聞くうちに彼等のことを冷笑するようになった。冷笑は彼の常であるがそれは常にも増して深いものになっていたのだった。
「人形だと自分達で言っているというのに」
「貴様にはわからないことだ」
レーツェルが彼の前に出て来て言う。
「人の命を何とも思わない貴様にはな」
「ほう、また貴方ですか」
アーチボルトは彼のヒュッケバインを見てもやはりいつものシニカルさを崩してはいない。
「つくづく飽きない方ですね。何度も私の前に出て来られて」
「これも言った筈だ」
いつもの冷静さの中に激情を込めていた。
「貴様は私が倒すと」
「あのことをまだ憶えておられると」
「答える気はない」
ここでもレーツェルは必死に激情を隠していた。
「特に貴様にはな」
「ふむ、まあいいでしょう」
こう言われて感情を乱すアーチボルトではなかった。やはり平然としている。
「それならそれで。さて」
「ここで倒す」
二人は対峙をはじめた。風がその間に舞う。
「勝負といきましょうか」
「行くぞ、トロンベ」
レーツェルは愛機に声をかけた。
「一気に駆け抜けるぞ」
彼等は戦いに入る。その周りでは既に両軍の戦いが最後の段階に入っていた。その中で二人もまた戦いに入るのだった。
その最後の段階においてもアラドとゼオラはラミア達の説得にあたっていた。それは彼等の攻撃をかわしながらの懸命の説得であった。
「そこまでしてする理由は何だ」
今度はアクセルが二人に問うのだった。
「俺達は人形だと何度でも言っているが」
「だからそれは違うんです!」
「貴方達は人間なんです!」
「何故そう言える!」
また拳を繰り出す。今度はまともにアラドのビルトビルガーを完全に捉えていた。アラドといえどそれはよけることができない速さであった。
「くっ、しまった!」
「アラド!」
ゼオラが思わず声をかける。しかし間に合わない。
「死ね!戯言と共にな!」
「ちぃっ!」
今まさにアラドを潰そうとしていたその時だった。二人の間にマイのR-GUNが来た。彼女はその拳をその両腕をクロスさせて受け止めたのであった。
「マイ!?」
「そんなことしたら!」
「ぐううっ!」
その衝撃はR−GUNといえど満足に耐えられるものではなかった。両腕が破損しかなりのダメージを受けてしまっていた。
しかしそれでもマイには傷はなかった。かなりのダメージではあったが。
「私にもわかっている」
マイはアラド達にではなくラミア達に言っていた。
「私も同じだったからだ」
「同じ!?」
「そうだ」
ラミアの言葉に答える。
「私もかつては人形だった」
「御前が。そうだったのか」
「レビ=トーラー」
以前の自分の名を告げた。
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