過去話〜テンペストの適合者
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『逃がしません』
アイングラドはディアンルグと対をなす存在だが、その分扱いが難しい。だから結華に託した。だが、
「もしかして、近接だけなら結華を超えるんじゃないか?」
意向に沿っているなら両方ともレベルが高い結華の方なのだが、近接だけに限定すると明らかに夜祥の方がレベルが高い。
『宝条一刀流……微塵乱舞』
そんな呟きが聞こえ、俺はあることを思い出した。
(微塵乱舞って、俺の得意技じゃん)
本当は大人用なのだが、テンペストを纏っているならパワーアシストが付いているし、俺の場合はIS用近接ブレードで戦闘はできるが微塵乱舞はできない。だがエレメント・ブレードなら―――使い慣れたが故にできる技だ。元々エレメント・ブレードは知り合いの鍛冶屋に手伝って貰ってできた一振りで、唯一無二の俺の刀。
―――閑話休題
それを捌き切れずに結華は吹き飛ばされ、さらにはガン・モードに変わっている《マルチ・ビット》のレーザーに撃たれる。
『このッ!!』
ビームを撃ちながら複雑な機動で翻弄して楊香は近付くが、夜祥はそれを避けたり弾いたり斬り流したりして近づき、《マルチ・ビット》で翻弄した挙句に風を纏った刀身を自身が回転して楊香を斬り付ける。
「ストップ」
俺は試合を止めた。
『どうして?』
『アタシはまだ戦える―――』
「自分のISのダメージレベルを見ろ。Cに突入しているだろ」
『『……あっ』』
それを気付いたのか、二人はそれだけ言った。いや、実際に俺でも驚いている。
「近接だけで倒すなんて、どこのブリュンヒルデだよ」
『ビットもなんとか操作できましたよ』
「『『………は?』』」
あまりの衝撃的な言葉に俺たちは唖然とした。
『はい。祐人様の部屋で見たアニメを参考にしてオリジナルを組み込んだのでわからなかったようですが』
そういえば、ビット兵器が飛び交うアニメを見ていたな。何故か夜祥はよく見ていたけど、家では見れなかったのだろうか?
「……とにかく、話は終了だ。三人は格納庫に来てくれ」
それから俺も格納庫に移動し、既に固定ハンガーで吊るされている。
「さて、始めるか」
「ところで兄さん、夜祥がどうして兄さんの部屋にいるの?」
「そこのところはアタシも聞きたいです」
俺はため息を吐きながらそのことを説明すると、なんと二人までもが同室になると言い出した。そしてシヴァは笑っていた。
彼女たちは少なからず俺に好意を持っているのはわかる。だけどそこまでか? 勘違いであって欲しいと思う。
「ダメだ」
俺はもちろん否定した。
「「何で!?」」
まるで否定されるとは思わなかったのか、結華と楊香
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