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魔法少女リリカルなのは【喜ぶべき死】
二話目
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受けていても何一つ文句は言わなかった。
そして、年頃の我が儘を言うこともなかった

迷惑をかけないために公園で遊んでいる時、なのはは嫌でも目にした。

親に手を引かれ、笑顔で帰る子供。
親にしかられつつも、我が儘を言う子供

どれも、自分が押さえていたもの。
自分が、心のそこから欲しているもの。けれど欲してはいけない。それが母に、姉に、兄に迷惑をかけてしまうものであれば決して欲していけない。

そう思い、スコップを片手にザクザクと砂場を掘り進めた。今作っているのは土のトンネルだ。
この前誰かが豪華な城を作っていたが、あんなものを真似して作ることなど不可能であり不器用ななのはには絶対に出来なかった

ザク、ザク

昨日は入り口から出口へ一直線の物だったが、今日は頑張って四つ出入り口のあるトンネルを作ってみよう

ザク、ザク

作ったとしても誰も誉めてはくれないが、そこまでの過程が大事なのであって結果はおまけだ

ザク、ザク

努力したという目に見える過程が必要なんだ

ザク、ザク

ザッ、ザッ

砂を掘り進める音とはまや別の音がする。
足音だ。誰かの足音がする。
複数いる音じゃない。一人、一人だけでこちらに歩いてくる人がいる。
なのはは少し怖くなった。もしかしたら、悪いおじさんかもしれない。

だが問題はない。おかしを貰わなければいいだけの話だ。
ずっと断れば諦めて帰ってくれるに違いない。なのはは掘り進める

ザク、ザク

ザッ、ザッ

足音がどんどん近くなる。少しずつ恐怖心が膨らんでいく。
大丈夫、なのはは強い子だ。だから大丈夫

ザク、ザク

ザッ。

ついに目の前に来た。
大丈夫、目を合わせちゃダメだ。目を合わせなければ大丈夫だ。
そんなことを思っていても、体は少し震えていた。連れていかれたらどうしよう。
もう、おかあさんにもおねえちゃんにもおにいちゃんにも、おとうさんにもあえなくなるかもしれない。
そう思うと、やっぱり怖かった

時間だけが過ぎていく。実際には数秒しかたっていないが、なのはには数十分にも感じた。
相手が息を吸う音がわずかに聞こえた。
大丈夫、言う言葉は決まってる。
「おかしなんていらない」だ。
言い続ければ諦めてくれるはず。
そして、唇が動いた

「…やっと見つけた、君が僕を待っててくれt「わたし!おかしなんていらない!」…?」

それが、高町なのはと曹条浦康の出会いだった

しかし曹条もなのはも気がつかなかった。
自分の後ろに不気味な足のない幽霊が立っていることに
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