二話目
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た存在であって、実在なんかするはずない。いると思うから見えるように感じるのさ、いないと思えばいないし感じない。霊感が強い人なんてたまに出てくるけど見えるとか感じるとかそんなのウソっぱちに決まってる。幽霊が見える証拠を出せなんて言われても出せないし、言葉でしか言えないしね。非常にバレにくい。世の中は物事が科学で実証される。幽霊なんて非科学的だ」
「は、はうー…」
「な、なのはちゃんの頭から煙が!?」
「話が難しすぎたのよ…!」
「…要するに。恐がる必要なんてないんだよ。特に、なのはは安心していいよ。だって――
――僕が、守るからね」
キラキラとしたオーラを纏いながら高町の手を握る曹条。その姿勢はまるで姫に忠誠を誓う騎士のよう
前回言った通り、曹条の顔は悪くない。今のようにキリッとした表情なら大抵の女子は落ちてしまうかもしれない
その証拠に、月村とバニングスの顔は少し赤く染まっているように見える
しかし―
「浦康君―
―――キモい」
「ぐはっ!?」
なのはの 素直な一言 !
こうかは ばつぐんだ !
その一言は、曹条の心(メンタル)に深く突き刺さる。そして頭の中で言葉が何度もリピートされる
「そもそも浦廉君ってあんまり私のタイプじゃないし」
「ナマステェッッッ!!??」
更なる追い討ち。思わず頭を抱えて空を仰ぐ。
この状況には流石の二人も同情気味のよう。当の本人は手を払って少し距離を取っている
「あ。もうこんな時間だ。先に教室に戻ってるね」
高町は食べ終わり空になった弁当箱を持ち、屋上の扉から階段を降りていった。その姿は嫌いな物から解放された子供のように見えた。
残された曹条はひんやりとしたコンクリートに両手をつけ、四つん這いの格好でその場に沈む。それを見てさすがに心配したのか、バニングスと月村は声をかける
「ちょっと、大丈夫?」
「なのはちゃんもキツいなぁ…なんで浦廉君にだけあんなにキツいんだろう…?」
二人の励ましの言葉がかかるが、曹条はフルフルと震え出す
さ、さすがにまずいかな…?
なんてことを思っていたが
「…そんななのはも素敵だァァァァッー!!!」
「「……ハァ」」
高町と曹条の出会いは五歳の頃だ。当時高町家に大事件が起こった。
それは大黒柱である士郎が仕事中に大ケガをするというものだった。
母と姉はそれぞれがそれぞれの思いで引きこもり、兄は鬼のように修行に取り組んだ。幼いなのはには気遣う暇など無く、最低限の食事だけを与えて引きこもっていた。
五歳のなのはだが家族の異変にはもちろん気づいていたし、迷惑をかけてはいけないとも思っていた。
だからなのははそんな扱いを
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