二話目
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人殺しの少年がいる
最近有名な通り魔だ。風と共に現れ血の臭いとともに消え去る。残った死体はどれも不可思議な死に方をしていて『首がない』『心臓がない』『脳がない』いずれも事件の現場付近にはなく、また被害者の体には取り出した後の傷もついていなかった
全くの無傷
通り魔の少年の身長は九歳ぐらいで、髪は黒。だが、その名だけは判明していない。もはや幽霊かなにかじゃないかと世間で騒がれている。が、目撃者は口を揃えて言う
「20秒後ぐらいに、見えなくなる」
わけのわからない供述に、警察は手を焼いてるとか。その供述に、オカルト集団は狂喜乱舞してるとか
「…つまらないな」
「えー!なんで?恐くないの?」
時刻は太陽が丁度真上を通る午後『12:46』春ののどかな日光と、生ぬるく心地よい風を直で受ける屋上で、一人の少年と三人の少女が平和に昼飯を食べていた
「恐くなんてない。恐怖を感じる必要がない」
「私は恐いけどなぁ…幽霊の呪いとかかもしれないし…!」
「それこそありえない。子供の怨霊が出てくるような事件は起こってないし」
自らの想像で恐怖に震える高町に対し、子供の幽霊だという可能性を坦々と切り捨てる曹条。高町は、少しムッとなる。大抵の相手ならこれだけ言えば会話の輪が広がるってもの。しかし、曹条は坦々と切り捨て、会話の続きを断ち切っている。彼は子供だとは思えないほど大人びていたのだ
「ば、バカ言わないでよ。ゆ、幽霊なんてそそそ存在するはずなんて―」
「アリサちゃん…」
分かりやすく反応を示してくれたのは"アリサ・バニングス"という金髪の少女で、高町から見れば頭も良くて優しいとてもいい子だ。高町の一年生からの友達でもある。バニングスといえば、外国で有名な会社の社長の名字だ。彼女は令嬢であり、帰国子女でもある。彼女は高町の視線に耐えられなかったのか、テンパりながらもご飯を口の中に詰め込み始める
「アリサちゃん…そんな反応だと肯定しているようなものだよ?」
「んぐっ!?」
そう言ってバニングスの息の根を止めたのは"月村すずか"紫の長髪に少しおっとりしてそうな雰囲気を纏っている。少女バニングスと同じく、高町とは一年生からの付き合いだ。月村家と言えば、町内で一番の大きさを誇る家を持つ。簡単に言えばセレブの生まれだ。どうやら高町家の住人は金持ちと引かれる運命にあるらしい
「すずかちゃんは恐くないの?」
「え?うーん…ちょっと恐いかな」
「バカバカしい。恐がる必要なんてないだろうに」
「ゲホッ!ゲホッ!あ、あんたはなんで怖がってないのよ!?」
「だから恐がる必要がないから、って言ってるじゃないか。幽霊なんて昔いたお間抜け野郎が何かと見間違え、勘違いから広まっ
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