プライド×罰則=絶対に負けられない戦いがそこにある……!
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ぎる。
「いたぞ! 孫策様と孫瑜様だ!」
「ちっ、もう来やがったか……」
城の中にある鍛錬場。そこに差し掛かったところで約十人の呉軍兵士に囲まれた。手にはそれぞれ剣や槍などの武器を持っている。
「すみません、お二人共。主に刃を向けたくはないのですが……」
「あら、そういうなら見逃してくれてもいいのよ?」
「万が一逃がした場合は、二か月間の減給が待っているんです」
「地味に痛いペナルティだな、おい」
流石は周公瑾、人の扱いというものを心得ているようだ。
チャキ、と剣を構えた兵士が徐々に近づいてくる。俺は雪蓮を庇うように一歩前へと踏み出した。
「雹霞……?」
「下がってろ。ここは俺一人で十分だ」
「でも……」
「俺にも女の子守るぐらいの格好をつけさせてくれよ。たまにはさ」
「……わかったわ。それじゃ、よっろしっくねぇ〜♪」
「え、あ、ちょっ!」
折角の良いムードをぶち壊すだけぶち壊して逃走した雪蓮。あのクソアマ……絶対ゆるさねぇ……!
しかしまぁ、まずはこいつらをどうにかしましょうかね。
「それでは……参ります!」
『いざ!』
十人が一斉に俺に襲い掛かる。単体では勝てないから集団戦法で来たか。頭のいい連中だ。
とりあえず最低限の動きで武器をかわし、当たりそうなものは柄の部分を弾いて軌道を変えさせてもらった。
結果、無傷で立っている俺。ポカン、と口を開けて俺を見ている兵士達という構成が出来上がってしまっている。
「よっと(ヒュンッ)」
「うわっ」
ボーッとしていた兵士の一人から偃月刀を奪い取る。ふむ、銘柄はよくないがなかなか上等な代物だな。
俺はトントンッと軽いステップで兵士たちから離れると、偃月刀の切っ先を彼らに向けた。
「さて、これからどうする? 大人しく俺を逃がすか、それとも向かってきて返り討ちを喰らうか……選ばせてやるよ」
「……わ、我らとて武人の端くれ!」
「一度刃を向けた以上、最後まで戦います!」
「…………はぁ」
大きくため息をつく。ったくよぉ……いい根性してるぜまったく。……ま、嫌いじゃないけどな。
兵士達が再び武器を構える。俺に武器を奪われた一人は、懐から三節棍らしきものを取り出していた。あいつ、長物使いか。俺と同じだな。
そして、それぞれのプライドと罰則をかけた男達の戦いが始まった。
あれ? なんか当初の目的とは違う展開じゃねぇか……?
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