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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第45話 蒼き世界での邂逅
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 先ほどの悲鳴に似た呼び掛けの事など忘れたかのように、そう伝えて来る俺と縁を結びし少女。
 何となく、彼女の今の様子が浮かぶような気がする。非常に不機嫌な仕草で、腕を胸の前で組み……。

【その心算なんやけどな。せやけど、ここは誰かさんの夢の世界でも有る。
 つまり、その誰かさんに信じて貰わなんだら、流石の俺でも、アイツを倒す手立てはないんや】

 不満げに俺を睨め付ける(ねめつける)彼女の姿が。
 その瞬間、世界に入ったひびが……、少しずつ広がって行く。

【本当に使えないわね】

 口調は非常に不機嫌な様子で。しかし、【念話】を通じて伝わって来る彼女の雰囲気は、陰の気に染まってはいなかった。

【だったら、信じて上げるから、さっさとアイツを倒しちゃいなさいよ】

 本当に信用したのか、それとも、口先だけでそう言ったのかは判らない。しかし、この手の口調、雰囲気の人間は素直じゃないと相場が決まっている。
 いや、何故だか、彼女の事は昔から……。

【但し、五分以内に勝ちなさい。それ以上、時間を掛けたら……死刑だからね】

 思わず、口元に浮かぶ笑み。変わっていない台詞に対して発せられた、安堵の笑みと、そして、彼女をこの目で……。
 しかし、その刹那。

【三分以内よ】

 更に、短くなるカウント・ダウン。そうして、

【忍のクセに、あたしを笑うなんて、百万年早いのよ】

 ……と続けて来た。彼女に相応しい台詞を。
 非常に理不尽な事を言い出しますね、俺の自称ボスは。これは、実際に友人関係だった時もトンデモナイ暴君だったのでしょう。
 ただ、そんな彼女の一言一言があまりにも……。

【それに、前にも言ったと思うけど、アンタに許されている台詞は、任務了解と、命なんて安いものさ。特に俺のはな。だけよ】

 更に続く暴君に相応しい、非常に横暴な台詞。
 ……って言うか、俺は一体どんな縁を、この少女と結んでいたと言うのですか?

 しかし……。

【そんなに待って貰う必要はない】

 俺は、最後の起動用の呪符を配置し終わった瞬間に、そう【念話】を繋げた。
 刹那、すべての呪符が起動し、アトゥの周囲に、ヤツを取り囲むように結界が構築される。但し、これは、ヤツの動きを制限すると言うよりは、外界(夢の世界)への影響を押さえる結界術。これを施して置かなければ、続く術式は危険過ぎますから。

 そう。俺は無暗矢鱈と、円を描くように回避を続けていた訳では無い。

「火焔呪の組み合わせ、二人分は出来上がっているな」

 俺の問いに、肯定を示す気を発する水の少女。
 ならば問題はない。彼女は信用出来る。昔からそうだったし、今でもその部分は……。

【ねぇ、忍】

 再び、陰
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