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蒼き夢の果てに
第4章 聖痕
第45話 蒼き世界での邂逅
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実際の会話の方では、水の少女との会話を行う。
 そして当然、身体の方は、水の少女を抱え上げながら、触枝の攻撃を躱し続ける。

 水の少女はふるふると首を横に振った。そんな細かい仕草さえも、タバサに似ている。
 そして、これは否定。彼女はアトゥの倒し方。つまり、弱点のような物を知らないと言う事なのでしょう。
 まして、俺の知って居る範囲内でも、アトゥに弱点のような物は残されていませんから。

【そんな必要はないわよ。所詮、ここは夢の世界なんだから】

 しかし、俺の自称ボスは、非常に呑気な台詞を伝えて来る。それに、俺や水の少女が彼女の夢の登場人物ならば、彼女の言う通り何の問題もないのは事実ですから。
 但し……。

【残念ながら、俺や、あの怪奇植物トリフィドモドキは、単純な夢の登場人物やない】

 左右より挟み込もうとする触枝三と三をきりもみ状の急上昇で回避し、その先に待ち構えるように存在していた触枝を、水の少女が彼女の呪符(魔法)で炎上させる。

【ここは、無意識の更に奥。全人類に共有されている部分。集合的無意識と言う領域で繰り広げられている戦いや】
「呪符を、火+風+火の組みを二人分。合計で四組用意してくれるか」

 先ほど教えられた、複合呪符。呪符を使用した合体魔法の、炎系呪符の強化の基本系を水の少女に依頼する。
 水の少女は、それまでと同じように、無言で首肯いた。しかし……。

【そんなの、信じられる訳ないじゃないの】

 再び、接近して来た触枝を、今度は、俺の生来の能力により発生させた雷撃で粉砕。その瞬間に送り届けられる俺の親分と自称する少女の【念話】。
 ただ、今の俺に、この【念話】を繋げた相手を説得する事は出来ない。せめて、彼女と縁を結んでいた時の記憶が俺に存在していたのならば……。

「大丈夫」

 しかし、諦めかけた俺に対して、水の少女が声を掛けて来る。そうして、

「わたしの言葉を、そのまま彼女に伝えて欲しい」

 ……と続けた。
 良く判らないけど、これは、何らかの秘密の暴露と成るのでしょう。ここが単なる夢の世界ではない、と言う事の証明に成る何かの。

 今の俺。【念話】の先に居る相手の事を思い出してさえいない俺に取っては、伝える事の出来ない秘密の内容。

「貴女が目覚めた後、あの出会いの図書館に……」

 水の少女が彼女に相応しい声で伝えて来た。

 しかし、これは……。

 大振りの触枝の攻撃を重力のベクトルを下方に向かわせる事で容易く回避。その刹那、接近しつつ有った一群の触枝を雷で撃つ。

 しかし、今、水の少女が口にした台詞は、俺が言って良い台詞では有りません。例え、俺の前世でこの世界を創り上げた存在との関係が、彼女……水の少女の言う通り
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