第4章 聖痕
第45話 蒼き世界での邂逅
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話の相手】はそう切り返して来る。案外、立て直しの早い相手らしい。
但し……。
【それに、アンタは友達じゃなくて、子分その1よ】
……と、俺に取っては意味不明の言葉を返して来た。
これは、俺の知らない事実が有ると言う事なのか、それとも、俺の台詞に、相手が調子を合わせてくれただけなのか。
ただ、何故か、その言葉が、より彼女らしい表現方法のように、俺には感じられた。
この、【念話】の先に繋がっているのが、未だに誰なのかさっぱり判らないのですが。
【それは悪かったな。子分その1としては、親分のピンチに速攻で駆けつけたいんやけど、コワイ門番に邪魔されて居てな。少し、時間が掛かりそうなんや】
「アレの正体が何か判っているな」
【念話】では、正体不明の俺の親分との会話を続け、実際の言葉で水の少女との会話を行う。
俺の問い掛けに、首肯く水の少女。
少しずつ、円を描くように後退を続けながら、触枝を回避。
更に回避を仕切れない触枝のみを、水の少女が、彼女の魔法で斬り裂き、燃やし尽くして行く。
まるで、旧来の友と共同で戦っているような雰囲気。連携がスムーズに運び、一瞬たりとも停滞は発生しない。
【コワイ門番って……】
少しの沈黙。いや、これはおそらく、
【アンタ、もしかして、アレと戦っているの?】
予想通りの少女の【台詞】。先ほどの空白は、間違いなく確認を行った時間。この、俺と縁を結びし相手は、何処かは判りませんが、俺とアレの戦闘を確認出来る場所に居ると言う事なのでしょう。
アレ。つまり、伝承や書物に語られた存在。這い寄る混沌と呼ばれる邪神の顕現のひとつ、アトゥだと思われる存在との戦闘を……。
古の狂気の書に因ると、奇形の君主アトゥとは、遥かな昔に地球に落とされた異形の種の内のひとつで有り、もし、ヤツが地球に根を張れば、やがては地球を覆い尽くす事に成るであろうと記載されている魔物。
独裁者や暴君により支配された虐げられた者達の狂気を糧に顕現する奇形の君主。この夢の世界全体に漂っている諦観や達観などがヤツを具現化させたと言う事なのか。
地球を壊し尽くす為に……。
しつこく触枝が襲って来る理由は、俺達をその彼女に出会わせない事なのか、それとも伝承通りに俺と水の少女を餌だと思っているのか。
それとも、俺と水の少女の事を、この世界を守る、守り手だと認識しているのか。
【当然やな。親分だろうが、友達だろうが、その大切な相手のピンチに、魔法使いの俺が駆けつけなくて、誰がやって来ると言うんや?】
「アイツがアトゥだとして、アイツを簡単に倒す方法が有るか教えて欲しいんやけど」
【念話】では俺のボスだと自称している少女との会話を続け、
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