第3巻
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押し返すこともできんとは。察しが良い奴等は杖か箒で空に逃げてはいる、が。
「甘いな。その避け方はハズれだ」
根の先が細かく枝分かれし空に伸び飛んで逃れた者たちの体を貫通し捕獲して落としていく。1000年もの時の間、ずっと鍛え続けたんだ。この規模の術を細かく操り、この程度の進化させるには充分の時間だった。
地上の制圧は済んだ、次は空に飛ぶ艦隊だけだが……
「ふっ。今の木遁で俺という存在が戦場に帝国側についていると知ったか」
俺という存在に臆したかのように艦隊が退いていく。
俺は自身をマダラと名乗り長い間戦場に出続け、いつしかマダラは戦場での脅威の代名詞となり、木遁はマダラだと証明させる物の一つになった。だから簡単に帝国軍に傭兵として参加し指揮官に命令ができる。
格好もマダラと同じ髪型で服装は鎧と家紋がない、うちは一族の装束でまんまだ。
退いた艦隊の指揮をする者が古参の者でマダラを知っていたのだろう。臆したか、または俺相手にまともに殺り合えるよう戦力を整える為か。
どっちでも良いが、これで戦場は帝国側に傾く。簡単にコントロールできず両軍がバランスよく疲弊させるよう動かすことができまい。
元老院を操り俺に紅き翼を仕向けるかアーウェルンクたち使徒共が直接来るかどうあれ目論見通りトビに仕向ける戦力を分散させることはできる。
◆
その日、連合上層部の人間たちは元老院も含め集まり会議を開いたのだが、アスカが戦場に帝国側として参加したことにより大荒れになった。
無傷で撤退した艦隊指揮官が迅速に『マダラが帝国側で戦場に出てきた』と連絡したためだが、
「奴め生きていたのか!?」
「だが何故今ごろになって出てきた?! 潜んでいるなら引っ込んでいればいいものを」
「この数十年死んだのではなく潜んでいただけだと!!!」
「しかもよりにもよって帝国の獣共に奴が……!!」
マダラの名前が出るだけでこの有り様だ。それだけアスカという人間≠ナありながら1000年生きた化物の影響力は強く恐れられている。
「奴は長い年月を生きてはいるが闇の福音≠フような吸血鬼ではなく人間だろ! 何故、人間である我等ではなく獣なんぞに」
「野蛮な獣共め、いったいどんな手を使い奴を味方にひきこんだのだ」
「こうなったら、金だろうが何だろうが用意しろ! 奴が納得する条件を出し此方にひきこめ!!」
「所詮は戦いたいだけの戦闘狂だ。破格の条件を示せば此方に着く!!」
彼らは分かっていない。アスカの計画を知らないのだから仕方ないが分かっていない。アスカは金、女、名誉など
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